みじかいストーリー
いてみた
『井の中の蛙 ③』
カエルを飲み込んだヘビは、
仲間が垂らしてくれた縄ひもを咥えて、
無事に井戸の外に出られました。
やあ、ありがとう、助かった!
カエルを食べた拍子に井戸に落ちてしまってね、
うっかりしてたよ。
ああ、大きなお腹してうらやましいよ。
ワタシはまだ食事前で腹ペコさ。
しかし気を付けてくれよ、すぐに助けにこれるとはかぎらないからな。
ああ、わかってる!
ほんと助かったよ、ありがとう!
お礼を言い、仲間のヘビが草むらに消えて行くのを見送ってから
井戸の裏にまわり、あたりを見回してからヘビはカエルを吐き出しました。
ウゲッ!ウゲッ!ゲホッ!ゲホッッ!!
ヘビの口からカエルが飛び出してきました!
カエルは放心状態で固まっていましたが、
少しすると状況を把握できて、
目の前にいるヘビをまじまじと見ました。
言ってたことは本当だったんだな…。
ハハ、飲み込んだままにしておきたかったが、
井戸の外に出たお前さんの反応が見てみたくて、
空腹よりも好奇心が上回ったってことだ。
よかったなあ、ワタシみたいな善良なヘビに出会えて!
ワッハッハッハッ!
さぁ、ここが井戸の外の世界だ。
どうだ?
カエルは周りを見渡しました。
つづく