右矢印 ① 不思議な転校生

 

右矢印 ② 謎の転校生

『かわいい転校生』

 

 

 

となりの席の、謎の転校生「なおゆき」君は

 

 

あの消しゴムの一件以来、特に変わった様子はない。

 

 

”あれ”は錯覚だったのか?と考える時もあるけど、

 

 

あの時の衝撃が、本当に起こった出来事だと確信するのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、またまた転校生がやって来た!

 

 

 

 

 

名前は「さとう ゆり」さん。

 

 

今度は女子だ。

 

 

 

 

 

そして、どういう訳だかまたしても僕の隣の席になった!

 

 

僕の右隣が「なおゆき」君。

 

 

左隣が「さとう」さんなのだ。

 

 

でも僕は内心嬉しかった。

 

 

だって「さとう」さんて、カワイイ♪

 

 

「よろしく」って挨拶された時ドギマギしたよ。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この時の自分は少し浮かれていて、

 

 

注目するべきことを忘れていたのだ。

 

 

 

 

彼女が”転校生”だということを…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日の帰り道、後ろから不意に声をかけられた。

 

 

「さとう」さんだ。

 

 

足音も気配も感じなかったので、すごく驚いた。

 

 

 

 

「途中まで一緒に帰っていい?」と聞かれ、

 

 

僕は「あ、あぁ…」と、素っ気ない返事をした。

 

 

 

 

 

会話の中で、僕の家の近くに住んでる事がわかった。

 

 

なんだか嬉しかった。

 

 

 

 

 

別れたあと、彼女に聞きたいことがあって、

 

 

すぐに追いかけたが…姿がない。

 

 

どこにもいない。

 

 

ほんの数秒のことなのに…。

 

 

 

 

 

 

 

僕はこの時、

 

 

 

 

彼女が”転校生”だったことを思い出した。