『旅路』 (前編)
搭乗口の前には、沢山の人々が集まっていました。
見ず知らずの人同士の会話が弾んでいます。
「飛行機に乗って行くとは知らなかったな~」
「座席って決まっているんでしょうかね、、、
自由ならご一緒しませんか?」
「ぜひぜひ、思い出を語り合いましょう!」
次々搭乗ゲートを通って行く人々。
機内の入り口では、CAが席の案内をしている。
「○○○○様はこちらのお席です」
そう言って席番号が印字されているリングを
手首に装着するのだ。
「えっ!ファーストクラスだって!?やったーー!!」
「お~~ビジネスクラスかぁ、うれしいなあ」
「え~~~~!?なんで私はエコノミークラスなのよ!」
喜ぶ人、
がっかりする人、
素直に従う人、
文句を言う人、
やはり、ここでもまだ同じなのだ。
つづく

