『感謝』

 

 

 

「一日中パソコンに向き合っていたら

肩は凝るし、目はショボショボするし・・・」

 

ハ~~アと、私はため息をついた。

 

 

 

 

すると、隣の席のミサ子が面白い事を言ってきた。

 

 

 

 

「ホント疲れるよね~~、でね、

私、最近チョットいい事聞いたんだけど、

例えば、

”目”今日も一日ありがとう!とか、

”首”今日もありがとう!

”腰”今日もありがとう!

”心臓”今日もありがとう!って感じで、

自分の体に感謝するのがイイよって」

 

 

 

 

「あ~なるほど、自己啓発っぽいやつね。

でもそれで楽になるんだったら

誰も苦労しないんじゃない?」

 

 

 

 

「そりゃそうなんだけど、

ほら、病は氣からって言うじゃない?

気休めでも、やらないより、

やった方がいいと思うんだよね。

感謝の思いってすごいんだって!

私もやってるんだけど、

体感はともかくとして、

なんだか優しい気持ちになれるんだよね」

 

 

 

 

「ハ~優しい気持ちね~・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、私は怖くて変な夢を見た。

 

 

 

 

 

 

目玉が顔から飛び出して宙を飛んだかと思えば、

 

鼻も飛び出していった!

 

手で顔をさわると、鼻も目もないのだ!

 

すると今度は、口も私の顔から離れて行った!

 

急に息が出来なくなり、死ぬ恐怖でパニックになった!

 

 

 

 

 

 

 

と、そこで目が覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~~~っ怖かった~~~!!」

 

 

 

 

 

心臓の鼓動が速くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

私はその時に思った。

 

 

 

目があることも、

 

鼻があることも、

 

口があることも、

 

当たり前じゃないんだって、

 

ありがたいことなんだって。

 

 

 

 

 

ミサ子が言っていたように、

 

私も自分の体に感謝しようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

「目さん、鼻さん、口さん、いつもありがとう!」