『恋』

 

 

 

「この羽の落とし主を知らないかい?」

 

 

 

「キレイな羽ね、でもワタシはわからないわ」

 

 

 

 

 

 

「この羽に見覚えはない?落とし主を探しているんだ」

 

 

 

「見かけたような気もするけど、わからないなぁ」

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、この羽の落とし主を探しているんだけど、知らないかい?」

 

 

 

 

「ああ、その羽は見覚えあるよ。あそこに木がたくさんあるだろう?

 

あそこに行ってみるといいよ。

 

でも何でその羽の持ち主を探しているんだい?」

 

 

 

「ボクはこの羽の持ち主に恋をしてしまったんだ。

 

そのコに求愛しようと思っているんだよ」

 

 

 

 

「そうか、うまくいくといいな!」

 

 

 

「ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

 

ボクは教えてもらった場所に行き、探しまわった。

 

 

 

 

「見つけた!あのコだ!」

 

 

 

ゆっくり近づいて話しかけた。

 

 

 

 

「やあ、こんにちは!もしかしてこの羽はキミのかい?」

 

 

「そうね、ワタシのだわ。わざわざ拾って持ってきてくれたの?」

 

 

 

 

「このキレイな羽の持ち主に会いたかったんだよ」

 

 

そう言って、そのコの羽の間に落としていった羽を差し込んだ。

 

 

 

 

 

「やさしいのね、ありがとう、嬉しいわ!

 

でもこの羽はあなたにあげるわ。受け取ってくれる?」

 

 

 

 

 

「もちろん!!」

 

 

 

 

 

こうして二羽の鳥は愛を育んでいくのでした。

 

 

 

おわり