『あの日の想い』
雨上がりの空を見ていると、大きな虹の橋がかかった。
「ほら、見てごらん!きれいな虹が出てるよ」
6歳になる娘を呼び、一緒に眺めていた。
「きれいだね~パパ」
「そうだね、今日の虹はとびっきりきれいだね」
「・・・ねぇパパ、あの虹が出ているところに行きたい!」
自分も子供の頃にそんな事考えていたなぁと思い出し、可笑しくなった。
「う~ん、虹はすぐに消えてしまうからな~」
「どうしてすぐに消えちゃうの?」
私は娘に向き合い、真面目な顔をして言った。
「実はね、あの虹が出ている所には
たくさんの宝物が埋められているんだ。
だから、誰にも取られないようにすぐ消えちゃうんだよ」
「えーーっ 宝物があるの!?じゃあミクが宝物を見つける!」
娘は目をキラキラと輝かせて言った。
あれから30年。
彼女はトレジャーハンターになり,
世界中の財宝を探す旅をしている。
