『四年にいちど』
四年にいちど、
人里遠く離れた場所で、
セミのお祭りが行われているそうです。
昔、あるセミが、
人間の世界では、4年ごとに
いろんな所から人が集まってきて、
オリンピックというものをするらしい・・・
ということを知り、
自分たちもやってみないかと
提案したのが始まりでした。
中には、
その年に地上に出てこれない仲間が
たくさんいるが、それはどうするんだ!
との意見も出ましたが、
短い夏の間だけなんだし、
毎年は大変だから、
四年でいいんじゃないかと
多数決で決まったのでした。
各地から、いろいろなセミが集まり、
おおいに鳴き
たくさんの仲間を集めて
大合唱が始まるのでした。
チィチィチィチィチィチィチィ
チィチィチィチィチィチィチィ
ツクツクオーシツクツクオーシ
ツクツクオーシツクツクオーシ
ジジジジジジジジジジジジジ
ジジジジジジジジジジジジジ
ミーンミンミンミンミーーーン
ミーンミンミンミンミーーーン
そうのうち、
大合唱に惹かれてやって来た、
たくさんのメスとの
ひと夏の恋がはじまるのです。
今年の夏は
とってもにぎやかなようです。
