コスモポリテス 13 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような…心が…ほしい

「〈無心─施し〉は〈贈与─返礼贈与〉関係のひとつである。

 そしてこれは、社会人類学者モースが『贈物を与える義務、受け取る義務、返礼する義務からなる全体的給付組織』と呼んだものに他ならない。」

(「哲学者ディオゲネス──世界市民の現像」山川偉人)

 

僕はひねくれ者であるせいか、人から何かを貰うとか、

人に何かをして貰うということが苦手です。

 

が、自分が愛している人に対してだけは、これが通用しない。

 

愛する人に何かをしてあげるとか、してもらうとか、

愛する人に何かをプレゼントすることは大好物なのです。

 

愛は理性も特性をも覆してしまうのかも知れません。

 

「しかし、これらのピュシス──宇宙、自然の摂理に基づいた万有の真のあり方──から派生した論理は、ノモス──真理摂理を無視して人間が勝手に作った法と秩序──から生まれた貨幣制度によって、その真価、徳、正当性が一気に覆ってしまった。

 哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリとのユニットであるドゥルーズ&ガタリの主張によれば、『返礼贈与というピュシスの美徳は高い利子をつけて返さなければならないノモスの悪徳にすり替えられてしまった。ピュシスの等価交換という美徳はノモスの不等価交換という欲望と権力の記号と化してしまっている』

 それらを通じて社会的格差はますますくっきりと差異を現し、これらが『不正・不平等・不道徳・疑似・不自然なるもの』と看做されるのである。」

(「哲学者ディオゲネス──世界市民の現像」山川偉人)

 

貨幣制度を有効にするためには、万人が美徳を理解し実践できる

教育システムが必要であるはずであったようです。

 

本来ならば貨幣制度という制度を立ち上げる前に、万人が美徳を

理解し実践できる教育システムが先にありきでなければ、

 

現代のように美徳のない悪徳ばかりの連中が、この貨幣制度を

おおいに利用し悪徳の限りを尽くし続けた結果、

 

醜悪なる社会が出来上がってしまったのも、

なんら不思議ではなかったとも思われます。

 

「ディオゲネスはこの『与える義務・受け取る義務・返礼の義務』というヒュシス(自然の摂理道理)がノモス(人間が勝手に決めたルール)の悪用により逆転してしまっていることをいち早く嗅ぎ分けたのだ。」

(「哲学者ディオゲネス──世界市民の現像」山川偉人)

 

太陽の存在が地球を創った。太陽の恵みである光が地球を救う。

なので古人(いにしえびと)は太陽を神と崇めた。

 

月は我々の暗闇を照らしてくれる。

なので古人(いにしえびと)は月を神と崇めた。

 

古人(いにしえびと)は太陽と月を崇めることで、

ヒュシス(自然の摂理道理)である等価交換を実践していた。

 

が、醜悪なる者共が貨幣制度を悪用し

ノモス(人間が勝手に決めたルール)を持ち込んだがために、

ヒュシスは破壊され、ノモスが独り歩きしたしまった結果が、

現在の格差社会・地球環境破壊等々の理不尽が表出してきて

しまったということなのかも知れません。

 

ヒュシスは等価交換の原理摂理を生み出し、

ノモスがそれを破壊し不等価交換という悪醜を

まき散らかしてしまったようです。

 

「諸君は、ワシに施しを与えてくれた人間は誉めるのに、どうして施しを受けたワシも賞賛しようとしないのだ?」

(「世界市民の現像」ディオゲネス)

 

人がアタリマエということに己も従う愚か者。

 

「最も幸福な人間とは、自然のリズムと合致した生き方をし、社会の慣習や価値観に捉われずに生きている人のことである」

(「世界市民の現象」ディオゲネス)

「イヴのバルタザール」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-11968318107.html