運命というか、先日「スピン 第4号」を買いたいと思うと、友達に誘われて古書(こしょ)とカレーの有名な街である神田に初めて行った。お好み焼きを食べる予定があったけれど、あいにくその日は閉店だった。一日のふたり旅が始まった。



近くにある人気そば屋さんの行列は恐ろしくてプランBもハズレだと思ったら、こういう時に、食べログは神。


「カレーの店ボンベイ」


というカレー屋さんが目の前に流れた瞬間、これだ!デリシャスなカレーを食べた後、古い街並みで散策したり、いくつかの本屋さんを訪ねたりして、案外贅沢な時間だった。宇宙人です。


「旅っていうのは別にかっこよく旅するじゃない。人の力を認識するのが旅なんです。今のはやり言葉でいえば、他者、the otherの力を確認するのがひとり旅の大きな魅力であって、自分ひとりだけでどうやって歩いていくんですか、退屈しちゃいますよ。」(田村隆一さんが書いた「詩人の旅」より、またはスピン 第4号 ページ152)


「地上の旅以外にも、内面の旅がある。それを『遊』と云う。書物との出会い、知らないことを学ぶ。たとえば、戦前では『学に遊ぶ』と云った。留学とは言わないで、『遊学』。遊そのものに、旅という意味があるだから、紳士、淑女にもの申す。『よく遊び、よく遊べ!』と。」(スピン 第4号 ページ152)


一人で異国の街で冒険したり、本屋さんで書物との出会いを求めたり、カフェで読書とカフェラテの黄金ローテーションを楽しんだりして、来日から1ヶ月が経った。まだ、少し夢みたいだなあと思いつつ、夢ではなく毎日蒸し暑い空気を吸って、電車に乗って生活する現実だ。


この先、どんな同乗者(コンパニオン)と遭遇するのか、そう思えば思うほどドキドキ鼓動する。だが、今まで多くの方の力に支えられてきたぼくは、いつまでもそうやって彼らに甘えるわけにはいかない。居場所を作るため、自分をより良い人間になるため、


さあ、旅に出よう。


これでは、今日はこのあたりで。

ではでは。