2017-10-09

あの子の隣 第九回

テーマ:ピープル


 

 

今日、いよいよあの子が帰ってくる。
1年前、留学をしてしまったあの子。

あの子が留学する前に気持ちをはっきりさせるぞ。

そう思って、一目ぼれしたあの子に告白した。
結果は、なぜかオッケー。
こんな地味なぼくに、こんな可愛い彼女ができるなんて…!
嬉しすぎて小躍りしそうだった。

付き合うことになってすぐに彼女は海外へ。
あの子が留学している間は、会うことはなかった。
しかし、月に一度、手紙でやり取りをしていた。あの子の手紙から伝わるやさしさを感じられるのが嬉しかった。
これからは、会いたいときに簡単に会うことができるのか…。
幸せすぎてしょうがない。

ニヤニヤしながら、待ち合わせ場所にいくと、あの子が待っていた。

 

「あ!ひさしぶり!」

え…。前よりきれいになってる…。
やばい、血圧あがる…!

 


「ひ、ひさしぶり…!」

「やっぱりここからの景色はきれいだね~。あ、あそこ私の家!」

あの子は楽しそうに話している。
些細なことでも、楽しさを見つけられるところが好きだ。
少しの間、景色を眺めた後、ベンチに座って、いろんなことを話した。
留学先での出会いや、楽しかったこと。
日本に戻って感じたこと。
これからの学校生活のこと。

 

あの子の声はすごく落ち着く。
久しぶりに聞けたから、ものすごくうれしい。すると突然、あの子が言った。

「そういえばさ、肉まんと芋まん買ってきたんだよね。どっち食べたい?」

「え?!どっちもおいしそうだな…」

「お、奇遇だね~。私もどっちもおいしそうって思ってたから半分こしよっか!」

「うん。そうしよっか」

 



なんか。恋人っぽい。
肉まん半分こするだけなのにドキドキする。

「肉まんを半分ことか、恋人っぽいよね。やってみたかったんだ~!」

照れながら言うあの子もかわいい。本当にかわいい。なんなんだ。 

それと同時に、こんなことも思った。
『僕と会えなかったことは、寂しくなかったのかな…』
もちろん僕は、ものすごく寂しかったけど。

すごく気になる…。
聞いたら、重い男だと思われるんじゃないか…。いや、ちゃんと言わなきゃだめだ。
ちょっと切り出してみる。

「そういえばさ、留学中は寂しくならなかったの?」

あの子は不思議そうに言った。


「え、全然寂しくはなかったよ」

「そうなんだ…」


それはそれでなんか寂しいなぁ。自分だけこんなに好きなのか。
少し落ち込んだ顔をしていると、あの子は笑った。
ぼくは本気で寂しいと感じているのに!ちょっと怒りそうになった。

すると、笑いながらあの子は話した。

「ふふふ。実はね…。君の首らへんがね、パンのにおいがするの。」

「へ!?パ、パン?」

知らなかった…。自分のにおいなんて全然気にしたこともない…。

「そう、パンのにおいがするの。街を歩いているとパンのにおいがよくしててね。君をいつも近くに感じられてたんだ。だから、寂しくなかったの」

「そっか」

そういわれるとなんだかうれしい。「パンのにおい」っていうのは気になるけど。
これからは前よりも会えるようになるけど、今までみたいにちゃんと言葉にして伝えていこう、そう思った。

あの子と話していると、いつも明るくなれる。
今もこうやって、二人で笑っていられる。

これからも大事にしていきたい。




隣のあの子
 

堀籠莉奈さん

 



Write・Photo たかみー
 

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

COLORweb学生編集部さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。