株が上がって景気が良いように思えますが、先日「15年ぶりに。」に書いたAさん同様に、インフレでの損を相殺しているだけで実際は豊かになっていませんし、株を持っていない人はBさんのようにインフレに貯金を奪われている、という話です。

 

1ドル100円の頃「1ドル150円になれば日本の製造業は復活する」と言っていた人が、1ドル150円を超えて円安になった今では「1ドル200円になれば日本の製造業は復活する」と言っています。1ドル150円になったら復活するんじゃなかったの?とツッコミ入れたくなります。その人は1ドル200円になったら「1ドル300円になれば日本の製造業は復活する」と言うのでしょうね。

 

円安により海外向けに売りやすくなるのは、スーパーマーケットで売れ残りのお弁当を安くして売り易くするようなもので、翌朝になれば新規に作ったお弁当は定価で売らなければなりません。それを「昨日は夕方に安くしたらよく売れたから、今日は朝から安売りしよう」なんてバカなことを言えば、安い売り上げでは安い素材しか仕入れられず、安っぽい弁当になりさらに安売りしなければ売れなくなります。円安になれば原材料や燃料が値上がりし、間接的に土地も人件費もあがりますから、円安による好影響は円安になったその時だけです。「1ドル200円になれば日本の製造業は復活する」という発言が、「1ドル150円になれば日本の製造業は復活する」は間違いであると示しています。

 

相場師は評論家でもないし「べき論」を言っても仕方ないので、相場の変動に淡々と備えるだけです。

相場師業も片手間になり、息抜きに書いていたこのブログも15年間放置していたのですが、1ドルが80円から160円になり物価も高くなってきて、何より身の回りの人も代わってきたので簡単なまとめ。

 

相場師のやること
簡単に言えば、1ドル160円の時に1万ドルを160万円で買って、もし1ドル170円になれば自分の1万ドルは170万円になり10万円の儲け、1ドル150円になれば自分の1万ドルは150万円になり10万円の損。これだけなら普通の人は別にやらなくて良いです。
ただ1ドルが80円から160円になると、誰にでも影響が出ます。

 

計算例
15年前の1ドルが80円の頃、AさんとBさんがそれぞれ160万円ずつ持っていたとしましょう。計算を簡単にするために金利は省きます(15年間、米ドルの方が金利が高かったので金利も考えると以下の計算よりも更に米ドルを買っていた方が有利になります)
Aさんはそのうちの80万円を1万ドルに両替しました。所持金は日本円80万円と米ドル1万ドル。
Bさんは日本円160万円のままです。
現在、1ドルが160円なので、Aさんの米ドル1万ドルは160万円になりますので日本円80万円と合わせて240万円、Bさんは160万円のままです。
単に「Aさんは80万円儲かって良かったね。でもBさんも損はしていないよね」ではないです。 日本は原油など多くを輸入に頼っていて、途中に輸入業者、加工業者など入って為替変動をある程度吸収してくれるので分かりにくいですが、円安は物価高に効きます。為替の影響が分かりやすいように1万ドルの商品を個人輸入することを考えます。
15年前1ドルが80円の頃、160万円持っている人が1万ドルの商品を80万円で輸入すると、手元に80万円残ります。
現在ならどうでしょう。Aさんなら、15年前から持っていた1万ドルで輸入するので、手元には80万円残ります。厳密には税務署が「80万円だった米ドルが160万円に増えたから、増えた80万円の20%の16万円を納税しろ」と言いますが、それでも64万円は残ります。
でもBさんが1万ドルの商品を160万円で輸入すると、手元にお金が残りません!15年前なら手元に残ったはずの80万円は誰に奪われたのでしょう?

 

ここでアメリカ在住のCさんが1万ドル持っていて、日本の80万円の商品を買うとします。15年前1ドルが80円の頃だと80万円は1万ドルなので、買うと手元にお金は残りません。でも今なら1ドルが160円なので80万円は5,000ドルなので、手元に5,000ドル残ります。Bさんは80万円を失い、Cさんは5,000ドルを得たからと言って、決してCさんがBさんを騙してお金を奪ったわけではありません。
これが相場の変動で、相場師はこの変動から利益を得ようとします。誰もが相場師になる必要はないですが、Bさんのように気付かないうちに相場の変動にお金を取られることもあります。逆に1ドルが160円から80円になると、Bさんは気付かないうちにお金が増えることになります。

 

貯金が少ないうちは相場を気にしなくて大丈夫です。仮にBさんが16万円しか持っていなければ、上記の計算での損は8万円。頑張って働けば取り返せます。でも1600万円持っていたら、上記の計算での800万円の損は働いて取り返すのも大変です。Aさんのように「米ドルなど変動すると生活に影響が出るものに対し、その影響を緩和できる程度」に持っておかないと損を避けられません。

また、まとまった退職金が出るサラリーマンもあまり気にしなくて大丈夫です。在職中の貯金がBさんのように減ろうが増えようが退職金で補えます。一方、プロスポーツ選手のように現役時代の収入はサラリーマンより多いけれどその現役時代の貯金で引退後も生活するならば、Bさんのように減るのは非常に困ります


やりすぎも良くないです。もしも「今後円安が進む」と推測して、資金全部を米ドルに両替すると、推測が外れて円高になった時の損も大きくなりますので、無難なのは預金の半分は日本円のまま、残りをさらに半分ずつ米ドルとユーロ、くらいでしょう。僕はもっと日本円の割合が少なくて株とか金(gold)とか原油先物も持っていますが、裏目に出た時の損も大きいのでお勧めしません。

 

金融機関選び

為替が逆に動いての損は、逆に動いた幅の分だけですが、金融機関が破綻することによる損は全額です。大きな金融機関の有名な金融商品が良いです。大手証券会社の外貨MMFがお勧めですが、証券会社を使ったことが無くて不安なら銀行の外貨預金でも構いません。ただ外貨預金はその銀行自身にお金を貸すので、その銀行が破綻すると戻ってきません。外貨MMFは国家や多数の企業に分散して貸すので一か所くらい破綻してもダメージは少ないし、分散して貸す作業は信託銀行がやってくれます。信託銀行は管理作業だけで信託銀行自身に貸しているわけではないので、信託銀行が破綻しても他の信託銀行に管理作業を引き継いで貰えますから、致命的な損は避けられます。

 

やってはいけないこと

「この株が上がる」という話を聞いて株を買ってはいけません。
有名な会社の場合、その話が自分の耳に入る頃には世界中の人が知っています。現在の株価は、その情報も反映して上がった結果ですから、たとえその情報が正しくてもここから上がるか下がるかは五分五分です。
聞いたこともない会社の場合、少しの買い注文で株価が上がり、少しの売り注文で株価が下がります。「この株が上がる」という話を信じてしまった人が買って高くなったところで情報源の人が売り抜けるための話なので、絶対に耳を貸してはいけません。

「預けてくれたら増やしてあげる」なんて言ってくる人はもっての外です。そもそも違法です。逆に僕が他人のお金を預かって運用するつもりも全くありません。

 

誰に相談しよう?

ファイナンシャルプランナーがこの分野の本職です。ただファイナンシャルプランナーのお仕事も難しいと思います。損を避けるためのアドバイスをして、そのアドバイスが的確だったおかげで損を避けられたからこそ、顧客はその損の痛みが分からず、避けるためのアドバイスに感謝しない、という矛盾があります。

「運の良い奴には勝てない」どんなに上手い相場師でも、凄く運が良かった素人には勝てません。でもそんな幸運は続かないからこそ、相場師は運に頼らずに勝ち続けようとします。運の良さを自慢する人の話は聞くに値しません。

 

相場格言「当たり屋につくな、曲がり屋に向かえ」
当たり屋とは相場が上手い人のことです。上手い人は、自分が間違えたと思った時の修正が速いので、上手い人についていこうとしても上手い人はいつのまにか違うことをしていて、ついていけなくなって儲けられません。僕自身、凄く上手いわけではないですが長年死なない程度には続けられています。毎回100%の自信はないけれど上手くいきそう、ちょっとヤバそう、の積み重ねで、100戦100勝ではなく51勝49敗で生きています。僕の一部だけ真似して、それが49敗の方だったら損しますよ。
曲がり屋とは下手な人のことで、下手な人はいつも同じ失敗を繰り返すので、下手な人の反対のことをすれば少なくとも大損は避けられます。

この記事を書くためにネットを検索すると、今は「当たり屋につけ、曲がり屋に向かえ」という言葉の方が多いようです。「上手い人の真似をすれば儲かる」って魅力的な言葉ですよね。でも上手い人が上手くなるまでの苦労、努力を見ずに上辺だけ真似ても儲かりません。上手い人を真似ようとして損する人が多かったから「当たり屋につくな」という格言が作られたのですが、その経緯が忘れられると、簡単に出来そうに思える「当たり屋につけ」の方が広まったのですね。そしてまた痛い目に遭う人が増えると「当たり屋につくな」の方が流行るのでしょう。

時が流れ、相場師が入れ替わり、相場の流行テーマも入れ替わっても、相場自体は変わらない。何故なら人間心理は変わらないから。(ジェシー・リバモアの言葉の現代風アレンジ)

 

まとめ

誰だって懸命に考えて取引しているので、多くの人が取引している市場価格は概ね妥当。自分だけが儲けられるとは考えない。大事なのは損しないこと。

他人が持ってくる儲け話は信用しない。僕がここに書いたのは儲け話ではなくて損をしないための話ですが、それでも100%確実に損を防げるわけではありません。自分で納得できるまで調べるきっかけとして読んでください。

一人挙げるなら、山崎元さん(故人)の本や記事が、怪しげな夢や希望を書いてなくて面白くないという意味で、信用できます。

後日談なのでツバメのヒナ1日目から順に読んでください。

巣に戻して2日目、様子を見に行きました。
他の兄弟と一緒に育っているか?それとも末っ子なので餌もらい競争に負けてしまっているか、もしかして巣から追い出されているか?自然の残酷さを色々考えて見に行くと、自然の残酷さは想像を超えていました。
巣にはスズメが居ます。巣を乗っ取られていました。突き合いになるとくちばしの形の違いで、ツバメには勝ち目はないそうです。
5日前、あのヒナを見つけた同じ場所に、今日もあのヒナが落ちていました。今度も生きていたら、もう先のことは考えずずっと育てようと思いましたが、奇跡は二度は起こらず、息絶えていました。2日前に見送った時より、産毛が少なくなって、黒い羽根が見えていました。巣に戻って少しの間で成長したようです。でも、あの大きさ、あの姿形、あのヒナに間違いありません。
他の兄弟の姿は見えません。少し成長は早かったとはいえ、5日前には頭に産毛が残っていましたから、スズメに追われてもまだ飛ぶことは出来ません。掃除のおばちゃんが、他の兄弟はツバメだとわかって片付けて、産毛が多いあのヒナは綿ゴミか何かと思って気にせず放置したのでしょうか?何故前回落ちた時は無事で、今回は死んでしまったのでしょうか?成長して、重たくなったから?

産まれた巣に戻って2日でスズメに襲われて、兄弟とともに命を落とすなんて。
もし巣に返すのを今日にしていたら、巣をスズメに乗っ取られているのを見て返さずに私が育てていた筈です。
でもそれはこうなったから思うことで、私が育てていたら自然の中で生きる術を教えることが出来ず、巣立った後で命を落としたでしょう。
巣に返すように言った鳥獣保護センター のアドバイスが悪かったとは思えません。私が同じ立場でも同じことしか言えません。答えが決まっている相手に相談するかしないかは私自身の判断、私自身の責任です。

ツバメは他の動物との競争力が弱く、くちばしでつつくことも、大きな声で威嚇することも出来ず、平均寿命は1年半だそうです。飼育環境だと生物的寿命は15年もあるのに。
他の動物との争いに弱いので、人間の近くに巣を作って、他の動物から逃れているそうです。そういえばあの巣は4メートルもの高さで、人からは遠かったのでスズメに狙われたのでしょう。
これまで、ツバメのことをただ元気で可愛い鳥だと思っていましたが、それは幸運にも無事育ったツバメなのでした。

あのヒナにとって、この世界はどうだったのでしょう?産まれたのは兄弟の中で一番最後ですから、餌の取り合いは大変だったでしょう。生後2日くらいで巣から落ちて、私たちに拾われて、食べたい時に食べて、寝たい時に寝ることが出来ました。あのまま育っていれば幸せだったのか?私にはわかりません。
生後一週間くらいで襲われて、最後に何を思ったのでしょう?前回巣から落ちた時と同じく、また私たちに会えると思ったでしょうか?その願いが叶ったから、他の兄弟は片づけられたのに、あのヒナは残っていたのでしょう。あのヒナにとって、もう一度産まれて来たいと思う世界だったのでしょうか?

もし再び、巣から落ちたヒナをみたら私はどうするでしょう?巣に戻して忘れる、それが一番良いのでしょう。
だからもう二度とヒナの面倒を見ることはないでしょう。人生に一度きりということはとても多いです。次こそは、とは考えないようにしています。
でももしも何かの縁でヒナの面倒を見ることになったら…
一晩考えました。
人も鳥も、自分にできることをするしかありません。飛び方、餌の捕り方を教えることは鳥にしかできません。落ちたヒナを巣に戻すことは人間にしか出来ません。
「自然に介入するべきではない」と言われます。でもその言葉自体、その時点での人間の多数意見に過ぎません。生物が全くいない死の山でなくても開発されることと比べればツバメ一匹を助けることの影響は極めて小さいです。それでも必ず助けられるわけではありません。「介入するべきではない」ではなく、人も自然の一部ですから介入できないのです。
今も世界のどこかでツバメのヒナが命を落としているでしょう。その一方、今後私の食卓に肉料理が並べば、その動物の命を気にすることなく食べるでしょう。あのヒナのことが気になるのは、私に餌をねだり、私の手から餌を食べてくれたからにすぎません。
あのまま飼い続けても命を落としたかもしれません。その時はもっと悲しいでしょう。
巣に戻してから少しは成長していましたから、スズメに襲われなければ立派に育って、「巣に戻してよかった」と思えたでしょう。
先のことは分かりません。その時点で最善だと判断したことを実行するしかありません。
★ツバメが来たよ~★ その6 を見ても、スズメ、カラス、ヘビに襲われて兄弟全滅ということは珍しくありません。それがたまたまあのヒナの巣で起こった、ただそれだけのことだと思うことにします。

幅方向に少し大きくなって、足で踏ん張って立つようなことも出来るようになりましたが、まだ目が開いていないようで、エサを食べる時も口を大きく振ってエサを探しています。
産まれて6日目には目が開くそうなので、成長が遅いのか、それとも拾った時はまだ生後3日も経っていなかったのか?
つばめの飼育日記 の写真と比べるとかなり幼くて、羽は全部羽管にはいったままで全身産毛だけです。
「つばめの子 ソラ」 ツバメのヒナとの出会いと別れ の2日目の写真と同じくらいです。
目は開いていませんが、エサを食べたらすぐに後ずさりして内側の巣からお尻を突き出して外に糞をしました。上手です。
今朝は雨で寒いので、体の半分に布を掛けたらすぐに全身布の下に潜り込みました。

午後…

3日前、うちに来た時よりずいぶん元気になりました。
今日明日の命の心配はなさそうです。
今日明日のことが心配にならなければ、今後のことが気になります。
ヒナの間、エサをあげること、フンの掃除をしてあげることは出来ます。
でも、飛び方、餌の捕まえ方を教えてあげることは出来ません。
それが出来るのはツバメの親だけです。

鳥獣保護センター に相談してみました。やはり親元に返した方が良い、巣が高くて戻せないなら、その下に人口の巣(私が今使っているのと同じ)を置いておけば親が育ててくれるかもしれない、と言われました。
スーパーにも電話してみました。店長さんと話してみたら、脚立を使って巣に戻してくれるそうです。

もう一度ヒナを見に行きました。さっきもたくさんご飯を食べて、幸せそうに眠っています。可愛いです。
でもこの子は人に飼われるために産まれてきたわけではありません。
いつかは自然に帰らなければなりません。親に飛び方、餌の捕りかたを教えてもらうなら、親がこの子のことを忘れないうちに返した方が良いし、ならば元気になった今が一番良いです。

スーパーまでは車で30分(週末に遠出した時に見つけたので)、巣に入れて布をかけたまま連れ出しました。
玄関を出て風に吹かれた瞬間、「この子はこの風の中で、この空の下で暮らすのが幸せなのだろう」と思いました。
スーパーに着くと、店長さん、警備員さん、掃除のおばちゃん、可愛いヒナを見て足を止める人、沢山の人が見守る中、ヒナは巣に帰りました。
来たついで+店長さんにお世話になったのでスーパーで買い物して、帰りに「また落ちていないだろうか」と不安に思いつつ巣の方を見たら、巣の中でちゃんと他の兄弟と並んでいました。

この子がちゃんと育つかどうか分かりません。他の兄弟、他のツバメだって先のことは分かりません。
でも私はこの子の、餌の注射器にかじりつく力強さと、食べ終わった後の寝顔、餌をねだる声、仕草は忘れられません。これからも元気に育ってほしいと祈っています。

朝顔の観察日記
出かける前にご飯をたっぷり食べて眠るヒナ。
これからはお父さん、お母さんから餌をもらってね。
朝5時頃、鳴き声が聞こえた気がしたので起きました。
見に行くとまだ寝ていましたが、せっかく起きたのでエサを作って、布団代わりの布をかけてあげたら目を覚まして鳴き始めたのでエサを食べさせました。
そのあとはぐっすり眠って、9時頃にまた食べていました。
気のせいかも知れませんが、少し大きくなった気がします。
飼っているのではなくて巣立つまで面倒を見ているだけのつもりなので、名前も付けていませんし、写真も撮っていません。
もし巣立つ前に死んでしまったら写真を見るだけでも辛いし。
巣立つ前日に一枚くらい撮ろうかとも思いますが、その前に逃げるかもしれませんし。
こんな小さな体で、半年後には南国まで飛んでいくのですから凄いと思います。
「お前、関門トンネルは人が歩けるから、鹿児島まで歩いて行け」と言われると辛いです。
今日の最後のご飯は夜7時過ぎ、もう暗くなっていましたが足音を聞きつけて餌をねだられました。