人には、三つの楽しむべきことがある。
一つには、道理をわきまえ、悪事をせず、善を楽しむこと。
二つめは、病気にならず、健康を楽しむこと。
三つめは、長生きをして、人生を長く楽しむことである。
大金持ちで身分が高いとしても、この三つの楽しみがなければ、本当に人生の楽しみがあるとは言えない。だから、富貴は人生の三楽の中に入らないんだ。
もし後ろめたい気持ちがあったり、養生の道を知らずに病気がちだったりして、結果的に短命になってしまう人は、この三楽を得ることができないだろう。
人として生まれたからには、この三楽を得るためのすべを持たなくちゃ。この三楽がなかったら、どんな大富豪になったって、本当の意味で益多い人生だったとは言えないよね。
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注)
1) 人生の三楽、原文では「善を楽しむ、快を楽しむ、久しく楽しむ」となっています。「善を楽しむ」のは人としての基本、悪いことをしてビクビク暮らすことのないようにってことですね。「快を楽しむ」のは、要するにちゃんと養生しようねっていう話。そうすれば、結果的に人生を「久しく(長く)楽しむ」ことができるってワケです。
益軒先生が『養生訓』を書かれたのは、「益軒先生ってどんな人?」にある通り、83歳のとき。人生50年と言われた時代に、養生法を守ったからこそのご長寿で、最晩年に『養生訓』を書かれたことからもわかるとおり、ずっと学問も続けてらした。そんな方がおっしゃるだけに、じんわりと効く説得力がありますね。
2) 『養生訓』の各項にはタイトルはついてません。したがって、タイトルにある「人生の三楽」は、中身から判断して私が勝手につけたものです。原文をお読みになりたい方は、こちらへどうぞ→中村学園 デジタル図書館
一天一笑、今日も笑顔でいい1日です。