書店につづいてお前もか、のお前ことシネマテークである。
今住んでいるところは名古屋市の中心部なので、
大抵のものは近所ですませることができるのだが、唯一100円ショップがない。
100円ショップというのは不思議なもので、車で走っているとき沿道に
その手のお店を見かけてもわざわざ車を停めてまで買うものはないよね、と
スルーするくせに、家にいるとどうしても100円ショップに行かないとない、という
時があるから面倒である。
そういうときに自転車を10分くらい漕いで行く100円ショップの近くに
シネマテークがあるので、上映時間が合えばついでに立ち寄るような
いわばご近所シネマであった。
シネマが先か100均が先かは定かではないけど、
まあご近所さんにとってはそれくらいの<お気軽セット>なのだった。
主にドキュメントや、よくわからない海外の映画はシネマテークで観た。
東海テレビの阿武野さんが関わっている作品は殆ど観せていただいた。
あまり混まない平日の変な時間に行くせいか
「ヤクザと憲法」を観に行ったとき、座席の前後左右を
Vシネマのヤ〇ザものに出ている俳優さんのようなかたがたがに囲まれ
変な汗を流したことも、今となってはシネマテークならではの思い出になりかけている。
セックスピストルズやジャニス・ジョプリン、
海外の自転車競技アスリートを追いかけたドキュメンタリー映画も
シネマテークをチェックしては観に出かけた。
ただただ砂糖を摂取しつづけて体調がどうなるか、とか
ケンタッキーフライドチキンのチキンについてをいろいろな方面から取材した、
娯楽なのか社会問題を扱う生真面目な論題なのか、
判断ができかねるようなタッチの映画も、
100均へ買い物に行くついでになんとなく観た。
シネマテークへ行く、というだけで自由な気がしたし
なんだか楽しかった。
残念だと言いながら、本屋ではなくAmazonで本を買うのとおなじように
シネマテークではなくAmazonprimeで映画を観るようになっている。
こうやって自分で自分のたのしみを滅ぼしておいて、残念だなんてどの口が言うのか。
ありがとうとお疲れ様でした。
そう、
心からありがとうございました、です。
しやがみこむこゑの足りない都草 漕戸 もり
