沢田研二ライヴ! | ジンロウ&BLOG HEADS

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福岡でコーガンズというバンドで歌っています。

筑後までジュリーを観に行ってきた。

会場に入ると唖然。
ステージにはマーシャルアンプとエレキギターしか無い。
え?バンドじゃないと?
まさかジュリーの弾き語り?
それはそれで見てみたい気もするが…
期待と不安が入り混じる。

すると客電が消えジュリーとギタリストの柴山和彦登場。

何とエレキギターのみの演奏で、ジュリーはバンドの時のように激しいアクションで歌い始めた…が、しかし
まるで二日酔いの様に声がガラガラで全然出ていない。
おいおい…大丈夫か?
やはり10年前、還暦ライヴで京セラドームで体験した時とは天と地ほど違う。
しかし、そんな事は御構い無しに激しいステージングで声を絞り出す様にシャウトするジュリー。
広い会場にエレキギターの音とかすれ気味の歌のみが響き、ちょっと虚しくなった。

ところがだ。

二曲目がオレの大好きなバニティファクトリー!!
佐野元春作の隠れた名曲である!!
まさか聴けるとは思ってもみなかったのでテンション上がる。
そして、少しずつではあるが声に艶が出てきた。

そして勝手にしやがれ!ストリッパーとヒット曲が続き、この辺りがど真ん中の世代としては嫌が応にも盛り上がる。
驚くべき事に声はどんどん調子を上げ、歌詞も聴き取れる程に修正されていく。
こんな事が可能なのか…。

結構ヒット曲やるなあと思ってたら、中盤はファンのオレでも知らない曲のオンパレード。
しかしコレが良い曲ばかりなのである。
中でも辺野古移設で沖縄の憂いを歌う曲や、「法令 違反 偽装 隠蔽 薄ら笑い 」とこの国の官民を痛烈に批判した「根腐れpolitician」は痛快そのもの。

勿論ポリティカルな曲ばかりではなく、バラードを歌い上げるジュリーは圧巻でしかない。
声も殆ど気にならないくらい復活している…ってか、いつの間にか素晴らしい歌唱力と声に!
信じられない。

と同時にリズム隊がいない事も気にならなくなっている自分に気付く。

更に!

ここまで一時間半くらい経過しているが、MCは殆ど無く、次から次へとひたすらに歌を歌いまくり、広いステージを所狭しと走り回る。

この人本当に70過ぎてるの?
コレが沢田研二のロックシンガーとしての意地とプライドなんだろうなー。

アンコールでは着ぐるみを着て登場、MCも多めで緩い感じになったが、これも本人の中ではアンコールはファンサービスの時間と決めているのだろう。

あれだけのスーパースターが、色んな事情があるんだろう。必要最小限のメンバーとスタッフで、歌いたい歌を作り、躊躇なく歌う。
このエナジーは一体何処から来ているのか。

とにかく、何もかもが感動的だった。
流石に全盛期と比べたらクオリティが落ちてる事は否めないが、それでも今演れる事を全力を尽くして媚びずに演り、それでお客さんを楽しませる。
そしてそれが70過ぎてるとは思えない、信じられないレベルのロックコンサートなのだ。

こんなカッコイイ爺ちゃんが日本にもいるんだぜ。