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ゆう@子育てパパ


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 しょうゆ、ミカン、ウメ、モモ-。和歌山県が誇る特産品の製造・加工の際に大量に生み出される「クズ」や傷みものを、高級料理などに再利用する取り組みが進んでいる。家畜の餌や肥料にしていたのをひと工夫し、しょうゆの搾りかすはローストビーフの引き立て役に、青ミカンはリキュールに。「もったいない」の気持ちが新商品を生み出している。



 ◆しょうゆ搾りかす、牛肉にマッチ



 しょうゆの搾りかすで牛肉を覆い、塩釜焼き風にした「和歌山県産牛のロースト」は、横浜ベイホテル東急が和歌山の食材を特集した7月のディナーバイキングで「麹(こうじ)の香りが牛肉と合う」と話題を集め、8月はランチタイムに提供している。



 魚の餌やミカンの木の肥料にしていた搾りかすの再利用を思いついたのは、食材を探して和歌山県を訪れていた同ホテルのシェフ、小川勝哉さん(45)。3月、しょうゆ発祥の地とされる湯浅町で約170年続くしょうゆ蔵「角長」を視察した際、「おいしいものができる過程の副産物も、おいしいに違いない」と考えた。



 しょうゆの搾りかすは味はしょっぱいだけだが、麹の香りが豊か。形は、しょうゆを搾りきる製造工程でプレスされてシート状になり、牛肉を覆ってみると「麹に含まれるタンパク質分解酵素の働きで、肉が柔らかくなり味や香りが染み込みやすくなった」という。



 搾りかすは、酵母が含まれるため、処分する場合は産業廃棄物扱いになり、コストがかかるのが悩みだった。餌や肥料として再利用できる量もわずか。角長の加納誠社長は「長いしょうゆの歴史の中で、搾りかすをうまく活用できたことはなかったのではないか」と話す。



 ◆間引き青ミカンはリキュールに



 ミカンのリサイクルも進む。栽培が盛んな有田市では初夏から8月にかけて、木の負担を減らし、ミカンの品質を保つため、青いミカンを間引く作業を行う。



 これまで廃棄されていた青ミカンの香りの強さに注目した同市の食品加工メーカー「花野食品」が、農家の協力を得て、リキュール「バージンオレンジパフューム」を開発。「展示会での評価も高かった。量産態勢を整えているところ」(花野雅司社長)と、今のところ農家の利益は1キロあたり50円程度だが、「販売が安定すれば、農家の利益は上がる」と話している。



 ほかにも梅酒を製造する際に使用する漬け梅は製菓材料として商品化。県北部で栽培が盛んなイチジクは規格外の果実をジャムに加工し、全国展開するパン業者に期間限定で出荷した。



 こうした民間の取り組みを行政も後押し。県食品流通課は「規格外のもの、捨てるものもうまく加工して流通させたい」と、缶詰加工後に残ったミカンの皮をパウダーにする企業なども紹介する冊子をまとめている。