旅先のホテルの部屋からの夕日。
とても綺麗でした。
コロナが少し落ち着いているようだから、ちょっとリフレッシュしませんか?という夫からのお誘いに応じ久しぶりにお出かけしました。
夫と久しぶりに丸二日間共に過ごしわかったことがあった。
食事をしている時しかまともに話をすることがない私達夫婦。
この日もホテルのレストランで食事をしながら昔のことを話していた。
昔、まだ学生だった娘と私達と3人で海外に旅行した時のこと。
その国のメイン通りで、不機嫌だった夫が私達を大声で怒鳴りつけ、娘が泣き出したことがあった。
その時のことを夫は
「あの時俺は何をお前たちに怒られたんだっけ?」と。
…
怖くて震えた。
自分が私達を怒鳴りつけたことを忘れ、自分が私達に怒られた、と記憶していることに…
夫の頭の中では、自分が人にしてきたこと、言ってきたことは全てないものになり、記憶を大きく歪めているようだ。
帰って娘にこの衝撃の事実を伝えたところ、娘から返ってきた言葉にまたも衝撃を受けました。
娘「え?で、何?」
私「何?って私はすごく驚いたのって話をしてるんだけど?」
娘「え?まさかそんなことを今まで知らなかったとか?あの人はずっとそうだよ。自分の都合の悪いことは全部忘れて、自分の都合のいいように記憶してるんだよ。私は今更そんなことに驚いてるお母さんにびっくりしたわ」
…
…
私はバカなのでしょうか…
「まあそれがお母さんの良いところじゃない?」
と娘。
褒められているのか、やっぱりバカにされているのかどちらでしょうか…
人間の脳はどんな風にでも記憶を書き換えられるということでしょうか?
私はますます何もわからなくなってしまった。
こんな風に、何でも都合よく記憶を書き換えてしまえる夫に対して、私はどう対応していけば良いのか…
私の今までの苦しみや悲しみも、夫にとっては何もなかった、自分は何も悪いことはしていない、と思っているようです。
本当になんという幸せな人だ。
うらやましい。
私も今までの苦しみや悲しみを無かったことにできたら、どんなに幸せなことだろうと思う。
記憶の書き換え…
できることなら私もしたい。
でも、人を苦しめたことを忘れてしまうような人間にはなりたくないな。