家族が寝静まって

するべきことも片付いたと思った後で、

ひとつだけ余計に

明日のためにひと仕事、して床に就くと、

いつもより手足をぐ~ん、と伸ばして眠れるような気がします。


ひと仕事、といっても、仕事ともいえないような、

本当に造作ないことしかしません。


お米を研いでおくついでに、浸し豆を水で戻しておいたり、

豚肉の塊に塩をまぶしたり、

いかを酒と醤油につけたり、

干しえびや干し貝柱、じゃこなどをペットボトルの水に入れて

冷蔵庫にしまっておいたり。

しなびそうなセロリの葉っぱを味噌床に沈めたり、

小松菜を湯がいておいしいだししょうゆに漬けておいたり。

みじん切りのたまねぎを軽く炒めておくのも便利でいいですね。


冷蔵庫や乾物の棚を一回り眺めてみると、

ひとつは必ず何か、見つかると思います。


早く何とかしておきたい食材。

時間をかければうまみが出たり、やわらかくなる食材。

これをやっておけば間に合ったのに・・・

と思ったことのある作業。



前の晩のこのひと仕事があるだけで、

翌朝のキッチンに立つ心持ちがずいぶん違いますよ。


そして、こんなひと仕事を重ねていると、

いつの間にか翌日の段取りもさっと組み立てられ、

日々の手際もきっと良くなってゆくはず。


朝は早くからぱちっと目覚め、

いつも元気でやる気満々、

みんなが起きるころには

完璧に家事が終わっているなんて人には、

こんなことは必要ないかもしれませんが、


朝しんどくて、準備に時間がかかったり、

料理以外にやることも多く

時間がなくて毎日同じような食卓になりがち・・・という方なら、

あえて前の晩、誰にもじゃまされない静かな時間に、

いやいやでないゆったりしたひと仕事をしてから

心和んで眠りについてみると、

きっと違う朝が迎えられると思います。


研いでおいたお米を炊き、

漬けておいた水出しで、スープやおつゆを作り、

途中まで仕込んだおかずを仕上げる。


この習慣が身につくと、

前日のおかずなしでも、

必ず、朝食以外にお弁当だってささっと作れるようになります。


すごく小さいことだけれど、

自分の中では大きな一歩に。




cocorofood  ~こころに効く料理とできごと~


余談ですが、

この豆は、明治元年から続く、

長谷(鎌倉の)にある石渡源三郎商店の青大豆です。


豆腐も納豆もないときに、さっと作れるので便利です。

戻った豆をゆでて、だしで割った醤油で浸すだけ。


種類も豊富で、戻しても虫食いなどのはずれなく、さすが老舗。


デシリットルの単位で買えるのもなんとも嬉しいです。