空間のプランニングやコーディネートをする時に、“視線の先”をとても意識します。
フォーカルポイントと言われる、目にとまる場所を作って、ディスプレイをしてみたり、アートをかけてみたり…というテクニック的なことも、そのひとつですが、もっと自然な目線をイメージしています。
ドアから部屋に入った時…
ソファに座っている時…
食事をしている時…
デスクワークをする時…
それぞれのシーンで、目線の向く方向(≒視線)が変わります。
リビングルームのオーガナイズをした時に、デスク代わりに使っている丸テーブルの座る位置を少し変えました。
以前は、壁に向かって座っていて、テーブルの上に、ファイルケースや本なども置いていたのですが、テーブルの上は、PCだけにして、壁に向かっていたのをリビングスペースを向いて、ベランダ方向を向く位置に座ることにしてみました。
この位置にして、視線が変わったところは…
● ソファの人に背を向けることなく、目線が合う。
● 外の明るい方を向くので、明るく感じる。
● 寝室のドアに背を向けないので、気配がわかる
● ダイニングスペースやキッチンに背を向ける
座る位置が変わるだけで、視線が変わります。
食卓のテーブルなら、座る位置がほぼ決まっていたりするので、それぞれの位置に座ってみると、そこから見える部屋の景色が違います。
自分にとって、死角となるところでも、別の人にとっては、ずっと目にとまるところとなることもあるのです。
リフォームとか、家を建てる機会のある場合は、対面キッチンがいいとか、LDKの関係はどうするか…とか、視線のことを考える機会がありますが、住みなれてしまうと、案外あたりまえになってしまったりもするのですね。
少し視線を位置を変えてみる…
視線の先を、整えてみる…
ほんのわずかなことで、気分が変わるもの。
テーブルの視線を変えてみて…
休日の朝、このテーブルの上のPCをのけて、ベランダを眺めながら、
そんな視線の変化を、ちびっこな娘も楽しんでいます。