築地場内市場の新大橋通りを挟んで向かいに
国立がん研究センター中央病院
通称
『がんセンター』
があります。
なので、
外出許可の患者さん
患者さんの家族
退院して、検査に通う方
お見舞いの方
先生や看護師さん。
がんセンターに関わる様々な方が
場外市場へいらっしゃいます。
『ここに来ると、生きてるって感じがするんだよね~。元気な皆さんとお喋りしてさ~』
という患者さん。
『ずっと病院にいると煮詰まっちゃって』
という患者さんのご家族。
『治療終わって、ちょっとリセットしてから帰りたいんだよ』
という通いの患者さん
『今日は自分へのご褒美~』
という、手術後、定期健診に来て
良い結果を携えて寄ってくださる方。
皆さん、がんという病気になり、
色んな思いを抱えながら
築地へいらっしゃいます。
早期に発見すれば怖く無い病気ですが、
まだまだ、しぶとい病気です。
がんセンターにいらっしゃる方の中には
がんという病気と
人生の残り時間の過ごし方について
折り合いをつけてるような方も。
『たぶん、もうダメなんだと思うけど
死ぬまでちゃんと生きようと思ってね』
『美味しいものを食べられるうちに食べなきゃ』
と買っていってくれる方に
私は
精一杯の笑顔と敬意をこめて
『ありがとうございます。
また お待ちしてます』と。
生へのエネルギーに満ちた築地
生きる為に食べるものを売ってる築地
人間は皆、
永遠に生きられる訳では無いけれど。
ここにいる時間だけでも
患者さんも、
再発を心配しながら検査を受ける方も
見守る家族の方も
エネルギー充電していって欲しいと
思うのです。
好むと好まざるとに関わらず
築地に通って来られる方が
少しでも楽しい時間が過ごせますように。
でも
残念ながら
だんだん状態が悪くなり
いらっしゃらなくなった方もいます。
伴侶が亡くなってしまい、
築地に来る用事が無くなったという方
『ウチのひとが好きだった昆布下さい』
と、定期的にいらしてくださるように。
そんなご縁もたまらなくいとおしく。
定期健診を終え、上機嫌の方と
毎回ハイタッチをして喜びあえたり。
今日のお昼
お隣に座った老夫婦も
がんセンター帰り
『髪の毛ツルツルになっちゃったよ』
というご主人の頭を
愛おしそうにクルクル撫でる奥様。
『築地のご飯はおいしいね~』
というお二人に
築地グルメ情報をお教えして
手をつなぎながら帰って行くお二人を
見ながら
お二人の時間が
長く続きますようにと。
私たちにできることは
元気良く笑顔で
美味しいものを食べる幸せを
お分けすること!
どうぞ、元気になれるまち
築地へ
いらしてくださいませ~。
