アメリカ旅行(5)荒野の魅力 | ライオンシティからリバーシティへ
2013-09-06 10:54:13

アメリカ旅行(5)荒野の魅力

テーマ:ブログ
私がこれまで住んだ町、東京、パリ、リヨン、シンガポール。

気候も地域も歴史も違うが、共通点はどこも徒歩と公共交通機関で生活できる都市だということだ。

都市にしか住んだことのない私は自家用車を持つ生活をほとんどしたことがない。

徒歩や自転車で移動可能な距離というのが、生活のモノサシになっている。

そんな私にとって、レンタカーを利用したアメリカの田舎旅行は日常生活の距離のモノサシをを麻痺させるものだった。

観光地から観光地、都市から都市へと、アリゾナの荒野をドライブ。まっすぐな国道をアクセルをガンガン踏んで前進。

ライオンシティからリバーシティへ

ガソリンの無駄遣いへの罪悪感はあるが、文明の利器を駆使して、大きな空間を移動していくことには、淀んだ心を洗うような不思議な気持ちよさがある。

馬、車、電車といった文明の利器を人間は開発して距離を克服してきた。単に便利にするためだけじゃない。人間のDNAにはスピードや空間の克服を純粋に快感と感じる何かがあるのだと思う。

小さいときから、「細やかで変化に富んだ日本の自然と違い、アメリカの自然は単調」と教わってきたが、それは間違いだったことを知った。広大な荒野とはいえ、地形の微妙な変化で、草木のサイズが変わったり、岩の色が変わったり、気温や湿度が変わったり、実に変化に富んでいる。

違いといえば、そんな荒野を延々とドライブしても、住宅や耕地がほとんどないことだ。たまに出現する草地で牛がポツポツいるくらい。

日本の人口密度は、1平方キロ当たり、336人。米国は32.7人。無人地域が殆どない日本と違って、米国の国土はまだまだ開発の余地がありそうだ。現にラスベガスの郊外は砂漠の中に、忽然と最近開発された新興住宅地が広がっていた。

生活空間の広さは、人間の精神に大きな影響を及ぼすと思う。

東京佃での生活は、徒歩距離に必要な全てのアメニティが揃っている便利さがあり、安全だ。だが家は狭い。トイレも狭い。いつでもどこでも人がいて、常に他人に気を遣いながらの生活である。「節電しよう」「ゴミを分別しよう」「安全に気をつけよう」「税金を納めよう」といった標語がいたるところに氾濫している。

それは、狭い土地で多くの人が和を保って生きるうえの知恵なのかもしれない。でも、ずっとそこにいると窒息するような息苦しさを感じるのも事実だ。

パリやシンガポールも似たようなものだった。

アメリカでも、サンフランシスコやマンハッタンなどの大都市部は多分、似ていると思う。

でも、アメリカの田舎の生活は、これまでの自分の世界観のパラダイムが変わるくらい異質だと思った。

その昔、アメリカの荒野には、先住民が住んでいた。

スペインから、東部から、より良い生活を求める白人の植民者たちがやってきて、異なる言葉を話し、異なる文化を持った人たちが、無法地帯の荒野にポツンポツンと住んでいた。他民族による略奪、疫病、旱魃、洪水。。。さまざまな困難と闘いながら自らの力を頼んで生を紡いできた、タフな人々。

その子孫が今でも荒野で生活している。

アメリカ名物のビーフジャーキーはそんな荒野の保存食だ。アメリカ人はあまり豚を食べず牛を沢山食べる。

アメリカで缶詰や保存食が拡がったのも、国土が広大すぎて、地産池消でフレッシュな食べ物を食べられる地域が少ないからだということが田舎で始めて実感できる。

アメリカの国力の底力も、田舎を見ると感じられる。

セデナで会った人々は当たり前のように銃を持っていた。

できれば、キャンピングカーで野宿でもしながら、不気味で荒っぽいアメリカの田舎の魅力をもっと長く味わいたかった!


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