後に続く私たちが | 津田紘彰のブログ

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日本コーチングセンター所長の津田紘彰(つだひろあき)が、コーチングを中心に生きることや日々学ばせて頂いたことについてお話しさせて頂きます。
少しでも皆様の気づきや元気に繋がりますように。

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あなたにしか出来ないことがあります。

あなたにしか歩めない人生があります。

そして、未来のあなたにしか幸せに出来ない誰かが待っています。

頑張ろう日本。
頑張ろう、東北。

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『日本コーチングセンター理念』

◆いのちと心を生み育て、社会生活の基盤を与えて下さった全ての恩恵に感謝し、御恩返しの仕事と人生を歩みます

◆無数の先人がたの御苦労と努力に思いを馳せ、その心を継承し発展させる仕事と生き方をします

◆自社と相手と無限の第三者、全ての幸せに貢献出来る仕事と事業をします

 
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こんにちは。日本コーチングセンター所長の津田紘彰です。

少しでも皆様が人生の質を向上できるような気づきや学びを分かち合い、

そしてほんの少しでもどなたかの心の中に生きる勇気や元気が湧いて来られますように。

そんな願いで、今日も心を込めてメルマガを書かせて頂きます。

後に続く子どもたちに、永続可能な地球を譲り渡し、

そして現代に生きる私たち一人ひとりが、夢や目的や使命を達成し、素晴らしい人生を歩まれるお手伝いができますように。

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平成25年7月14日
【後に続く私たちが】


今日は、春にお会いしたあるおじいさんのお話をさせて頂きます。

93歳になられるその「一郎さん」というおじいさんは、当時の方としては大柄で、とても立派な体躯の持ち主です。

かつて甲子園に出場されたこともある、熱血野球少年だったのだとか。

戦後、日本に帰国されてゼロから会社を立ち上げ、一代で大きな企業へと育て上げた方です。

私は、そのご家族にお仕事の依頼を頂いたことからご縁が繋がり、お会いするといつも二人で話が盛り上がりました。

一郎さんは、ヘルパーさんたちには「怖いおじいさん」と恐れられています。

確かに気も短く、声に威圧感があって目つきも鋭いので怖がられてしまうのもわかります。

私も最初にお会いした時はギロッ、と睨みつけられ、怖そうなおじいさんだな…お話できるかな…というのが第一印象で、その時は大した会話も出来ずに終わりました。

しかしお会いするたびに少しずつ心の距離が近づいてゆき、おじいちゃんと孫のように、色んなお話が出来る心の繋がりが出来ていきました。

春、暖かな日差しが降り注ぎ、窓から桜が美しく見える部屋で私は一郎さんに戦時中のお話を聞いていました。

第二次世界大戦では陸軍として何人もの部下を率いて激戦のフィリピンに従軍し、もう少しのところで命を落とすところだったのだそうです。

自分のせいであいつを死なせてしまったのではないか、どうして俺だけ生き残ってしまったのだろう。

そんな思いを抱えながら日本に帰り、ただがむしゃらに働いて生きてくるしかなかったんだ。

70年に及ぶ長い歳月、ずっと自分を責め続けて生きてきたんだ、と。


「…きれいだなあ、桜が」


「そうですね、本当にきれいです」


しばらくして、静かに一郎さんは口を開きました。


「死んだら…靖国で会おうってあいつらと約束してたのに…。俺だけこんなに長生きしちまって…」

私はかける言葉も無く、じっと一郎さんのお話に聞き入っていました。



「日本は…」


長い長い沈黙のあと、窓の外を眺めながら話していた一郎さんが私の方を振り返りました。


「日本は……いい、国だよ。





頼むよな、あんちゃんたち」


一郎さんの目には涙が溢れていました。


「………はい………」



悲しいほど美しく咲いた、満開の桜を二人で眺めていました。



それからわずか数週間後、一郎さんは93年の生を全うされ、仲間たちの待つ場所へと帰ってゆきました。

祖父母や一郎さんたちが命を懸けて護って下さったもの、手渡してくれたその未来に生きている私たち。

無数の先人や、御先祖様たちが築きたかった未来とはどんな未来だったのだろう、と。

改めて、ずっとそのことを考え続けていました。

子どもたちに、語り継ぐべき歴史と物語があります。

祖父母や一郎さんたちの思いを背負うには、私はまだまだ人として未熟過ぎます。

日々学び続け、成長し、失敗しながらも毎日を真剣勝負で生きる。

ほんの一瞬でも誰かを笑顔に出来るように。

また歩みを続けて参ります。

本当にいつも、お支えを頂いてありがとうございます。

明日も頑張って生きましょう(^^)

おやすみなさい。