映像作家・航一のブログ【努々の夢】 -5ページ目

2011-1~変化・壱


果たして、
そういう表現をしてよいものだろうか―。

いまも多くの方が大変な生活を
強いられている中で、私などが
斯様な記事を書いてもよいものかと
心の裡に一通りの躊躇いに似た
感情を抱きながらも、僕はキーボードを叩く。

$映像作家・航一のブログ【努々の夢】
photo by Takayuki Hosokawa



いろいろなものを失った一年であり

様々な物事が変化した年であるように思う。

世の中も。僕自身も


多くのひとにとって
そうであるように震災が齎した影響
というのは、偏に語ることはできない。

当時の私は決まっていた
仕事のすべてが白紙になり、それでも
連日テレビから流れてくる映像に自身として
できることは何かを考え、友人を通じて知った
この活動に賛同し、件の映像をつくらせていただいた。

穿った見方をすれば、
少し偽善的な行為なのかもしれない。

ただ、当時を振り返ると、
恥ずかしい話だが
寄付金をお送りできるような
体力は持ち合わせていなかったし、

それでもやはり何かをせねばならないと

しかしながら、

先々への不安や焦燥感の中で

自身の仕事を媒介とすることで

世の中とつながっていたいと、

少しでも誰かの、何かの助けに

なるような行動を取りたいという

気持ちがあったことをいまでも鮮明に憶えている。


しかしその後、僕はブログでは閉口する。

自分の弱さを吐露するのであれば、
様々な情報や報道、いろいろなものに嫌気がさし

「どう在れば、よいか」を見失った気がする。

そこから、
自身を救ってくれたのも、やはり仕事だった。

もとい、映像制作という、
創るという行為、そのものだったかもしれない。

余談ではあるが
先日読んだmsnの記事で

「無償でもいまの仕事をするか?」

という内容のものがあった。無論、イエスである。

いくつかの案件を、
仕事をしていくうちにリズムが出る、
その流れがまた、よいリズムを運んでくる。
出逢いと、制作、ひとと、物事を考える、想う時間…


5月、交流会にて多くの素晴らしき出逢いがあり、


6月、撮影の依頼で福島


その間にいただいたオファーは


国民的アイドルグループの
web映像配信企画の企画立案及び
現場ディレクターの話だったり、

ラジオAM局での生放送の映像演出の仕事、

業界上位の広告代理店からの
大手スポーツ用品店のランディングページの
映像演出及びページのディレクションといった

いずれもこれまでの
私の業務形態からすると規模の大きな案件だった。

独立以来、地道な制作を丁寧にやってきた
成果がそこはかとなく実を結んだような感覚。

結果としては、残念ながら、
ラジオのスポットの仕事以外は
世に出ることはなかったが、大手代理店との
打ち合わせや企画プレゼンテーション
そのためのプロットやコンテづくりは
非常に今後のために、有意義且つ糧となる
経験となったことは云うまでもない。

何より、これまでの制作を
見てくださった方がこういった案件に
自分を起用しようと考えてくれたこと自体が
素直に嬉しく、光栄で、自信につながった。

もっと、レベルアップしないといけないと
感じたひとつ、ひとつの、出来事―。

また、7月のひと月という
短い期間だったがラジオという媒体での
生放送、現場経験は課題と多くの学びを与えてくれた。

これは、今年あった多くの出逢いと共に
私に大きな変化をもたらしてくれる出来事となった。


焼け跡に佇んで、いまそんなことを想う…


$映像作家・航一のブログ【努々の夢】
photo by Takayuki Hosokawa





































映像作家 航一