★カンピオーニ、{イ・} (Campioni,{I})

 1952年にアメリカ民謡、ウェスタン・ミュージックを歌うバンド、ザ・ロッキー・マウンテン・オブ・オール・タイム・ストンパーズ(The Rocky Mountains Ol' Time Stompers)が結成され、57年リード・ヴォーカルにトニー・ダララ(Tony Dallara)をした結果バンドは分裂し、新たなメンバーで結成したのがイ・カンピオーニとで、77年に解散します。

 新たなバンドはポップス曲にレパートリーを変更し、ミーナ(Mina)がカヴァーし大ヒットした“月影のナポリ(Tintarella Di Luna)”を産出し、トニー・ダララ(Tony Dallara)若き日のルチオ・バティスティ(Lucio Battisti)が在籍しバンドとして知られています。カンピオーニは英語で言えばチャンピオンズの意味。

 

                       LPA- 34          

 

活動期間:1952年 – 1977年

所属レコード会社:Music, Jolly, Ri-Fi, CGD, Primary, CAR Juke Box, Silver

サンレモ音楽祭出場0回

サンレモ音楽祭出品0曲

 

メンバー構成

ザ・ロッキー・マウンテンズ・オブ・オール・タイム・ストンパーズ (ザ・ロッキー・マウンテンズ)

The Rocky Mountains Ol' Time Stompers (The Rocky Mountains) の構成メンバー

[太字:カンピオーニのメンバー]

・バルド・パンフィーリ(Baldo Panfili) 1912年ミラノ生まれのイタリアのトランペット奏者

・ブルーノ・デ・フィリッピ(Bruno De Filippi) 1930年5月8日-2010年1月16日ミラノ生・没、ギター、ハーモニカ奏者、作曲家

・ジョルジョ・カセッラート(Giorgio Casellato) ピアノ奏者

・リヴィオ・チェルヴェッレーリ(Livio Cervelleri) サックス奏者

・リノ・ロニョーニ(Lino Rognoni) ドラム奏者

・ピエロ・ヴィッラ(Piero Villa) ベース、ヴァイオリン奏者

・パオロ・オルダニーニ(Paolo Ordanini) 1931年8月18日ミラノ生、ピアノ、ビブラフォン、サックス奏者

・トニー・ダララ (Tony Dallara) 本名アントニオ・ラルデラ (Antonio Lardera)1936年6月30日ナポリの北北東100kmの山中にある小都市カンポバッソ生、歌手、TVタレント、画家

 

イ・カンピオーニ(I Campioni)の構成メンバー [太字:ロッキー・マウンテンズのメンバー]

・パオロ・オルダニーニ(Paolo Ordanini) (在籍期間 1956年-l 1971年)

・ピエロ・ヴィッラ(Piero Villa) (在籍期間 1956年-1971年)

・ブルーノ・デ・フィリッピ(Bruno De Filippi) (在籍期間 1956年-1964年)

・ファウスト・パペッティ(Fausto Papetti) (在籍期間 1956年-1959年): 1923年1月28日ミラノの北スイス国境近くの町ヴィッジュ(Viggiù)生、1999年6月15日サンレモ没、アルト・サックス奏者。

・テオ・パスコット(Teo Pascotto) (在籍期間 1956年-1961年)ドラム奏者

途中在籍メンバー

・トニー・ダララ (Tony Dallara) (在籍期間 1957年-1958年) 歌手

・ロビー・マタノ(Roby Matano) (在籍期間 1958年-1971年) 歌手

・クラウディオ・ベネデッティ (Claudio Benedetti) (在籍期間 1959年-1962年) ドラム奏者

・ルチオ・バティスティ (Lucio Battisti) (在籍期間  1964年-1966年) ギター奏者

・パオロ・ザンボン(Paolo Zambon) (在籍期間 1964年-1971年)本名ジャンパオロ・ザンボン(Giampaolo Zambon ) ドラム奏者

 

 

 話はイ・カンピオーニの基礎となったアメリカ民謡、ウェスタン・ミュージックを演奏するバンド、ザ・ロッキー・マウンテンズ・オブ・オール・タイム・ストンパーズから始まります。この1951年から52年頃に結成されていますが、ウェスタン・ミュージッのバンドの結成時メンバーが良く判っていません。

 

 レコードのジャケットを見ると6人のバンドったようです。カンピオーニの中心メンバーとなったギターのブルーノ・デ・フィリッピ(Bruno De Filippi)は初期のメンバーだったと思われます。

 

 ブルーノ・デ・フィリッピはギターと半音階が吹けるクロマチックハーモニカを勉強した後、50年代初頭にミラノの幾つかのバンドでジャズ・プレーヤーとして活動を始めました。その間ジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)、レス・ポール(Les Paul)のイタリア公演にも参加しています。こうしてブルーノが加入したザ・ロッキー・マウンテンズはミラノでジャズやロック・ン・ロールを得意とするレコード会社のオーナー、ワルター・グルトトラー(Walter Guertler)によって発見され、ミュージック・レーベルと契約しレコードを発売するようになりました。

 

 54年ザ・ロッキー・マウンテンズはミュージカル喜劇映画「Assi Alla Ribalta」に出演(56’28”-)し、その時のメンバーはギターのブルーノ・デ・フィリッピに、トランペットのバルド・パンフィーリ(Baldo Panfili)、ピアノのジョルジョ・カセッラート(Giorgio Casellato)、サックスのリヴィオ・チェルヴェッレーリ(Livio Cervelleri)、ドラムスのリノ・ロニョーニ(Lino Rognoni)、ベースのピエロ・ヴィッラ(Piero Villa)でした。

 

 歌が入る場合レン・エリス(Len Ellis)をフューチャーしています。このレン・エリスも資料がなく、アメリカのカントリー・ウェスタンのDJにアンクル・レン・エリス("Uncle Len" Ellis)と言う人物がいて時代も近いのですが、再々イタリアに来たとも思われず決定的な証拠がありません。

 

 当初はウェスタン・ミュージックと言うよりは日本ではスコットランド民謡として親しまれている愛唱歌、アメリカ民謡、フォスターの作曲したアメリカ愛唱歌、西部t劇映画の主題歌などアメリカ、西部劇をイメージする曲を集めたようなレコードが出されました。

 

 また映画出演した「Assi Alla Ribalta」の場面を見ているとジャズ・ミュージシャンが中心のバンドらしく、ジャズやロック・ン・ロールの曲を演奏していたと想像させられます。

 

 初期のSP盤はイタリアのミュージック・レーベルが残っていないのかローマにある音響と視聴覚遺産中央研究所(Istituto Centrale per i Beni Sonori ed Audiovisivi)の資料もフランスのヴォーグ・レコードの盤が大半と言う状態でした。

 

ML-2060 (195?年 Music - Guertler) 25cm SP Jesse James/Turkey In The Straw (わらの中の七面鳥)

ML-2060  ML-2062

ML-2062 (195?年 Music - Guertler) 25cm SP Oh Susannah (おお、スザンナ)/Down In The Valley (谷あいを下りて) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers with  Len Ellis‎]

 

ML-2064 (195?年 Music - Guertler) 25cm SP Ring De Banjo/Dance With The Dolly

ML-2064   LPA- 10 

LPA- 10 (1951年Music - Guertler) 25cm LP The Rocky Mountains Ol' Time Stompers Vol. 1

1.Deep In The Heart Of Texas (テキサス魂)

2.Swanee River (故郷の人々)

3.Little Brown Jug (茶色の小瓶)

4.Home On The Range (峠のわが家)

5.Stephen Foster Melodies (フォスタ-・メドレー)

6.Carry Me Back To Ol' Virginny (なつかしのヴァージニアへ)

7.Pecos Bill

8.Jeannie With The Light Brown Hair (金髪のジェニー) 

 

ML-2089 (195?年 Music ‎- Guertler) 25cm SP Jingo Jango Jingo/Old Faithful

ML-2089  ML-2122

ML-2122 (195?年  Music ‎- Guertler) 25cm SP Whadda Ya Know/Ride Tenderfoot Ride [Rocky Mountains Ol' Time Stompers With Len Ellis]

 

LPA- 34 (1953年Music - Guertler) 25cm LP The Rocky Mountains Ol' Time Stompers Vol. 2 ※ジャケット画像は顔写真画像をご参照

1.Call Of The Far Away Hills (遥かなる山の呼び声)

2.Mule Train (ミュール・トレイン)

3..Blowing Wild

4.Yankee Doodle (ヤンキー・ドゥードル)

5.Polly Wolly Doodle

6.Jingle Bells (ジングル・ベル)

7. Ol' Mississippi

8.When You Wore A Tulip (バラとチューリップ)

 

ML-2126 (195?年  Music - Guertler) 25cm SP I Met Her In The Garden Where The Praties Grow/Speed Bonny Boat [With Len Ellis]

ML-2126  ML-2142

ML-2142 (1956年 Music - Guertler) 25cm SP Old Mississipi/When You Wore A Tulip (バラとチューリップ) [with Apo Llony]

 

ML-2152 (1956年 Music ‎- Guertler) 25cm SP Annie Laurie (アニー・ローリー)/Greensleeves (グリーンスリーヴス) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers With Len Ellis]

ML-2152  ML-2165

ML-2165 (1956年 Music ‎- Guertler) 25cm SP Jubilee Trail/The River Of No Return (帰らざる河) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers With Len Ellis]

 

EPM-10004 (1956年 Music - Guertler) The Rocky Mountains Ol' Time Stompers vol.1) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers with  Len Ellis‎]

Oh Susannah (おお、スザンナ)/Dance With The Dolly/Jingle Bells (ジングル・ベル)/Swanee River (故郷の人々)

EPM-10004 EPM-10005

EPM-10005 (1956年 Music - Guertler) The Rocky Mountains Ol' Time Stompers vol. 2) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers with  Len Ellis‎]

Red River Valley (レッド・リヴァー・ヴァリー)/Home On The Range (峠のわが家)/ Down In The Valley (谷あいを下りて)/Little Brown Jug (茶色の小瓶)

 

EPM-10006 (1956年 Music - Guertler) Vol. 3: Hit Tunes Of Current Films) [Rocky Mountains Ol' Time Stompers with  Len Ellis‎]

Pecos Bill/The Black Hills Of Dakota/ Call Of The Far Away Hills (遥かなる山の呼び声)/Blowing Wild

EPM-10006 EPM-10007

EPM-10007 (1956年 Music - Guertler) The Rocky Mountains Ol' Time Stompers vol. 4 (inciso come The Rocky Mountains Ol'Time Stompers)

Mule Train (ミュール・トレイン)/Yankee Doodle (ヤンキー・ドゥードル)/Polly Wolly Doodle/Beautiful Dreamer (夢見る佳人)

 

EPM-10013 (1956年 Music - Guertler) The Rocky Mountains Ol' Time Stompers vol. 5 (inciso come The Rocky Mountains Ol'Time Stompers)

Slanshea/My Old Kentucky Home (懐かしきケンタッキ-の我が家)/Ride Tenderfoot Ride/Loch Lomond (ロッホ・ローモンド)

             EPM-10013

 

 54年に見習い歌手として加入したアントニオ・ラルデラ少年が成長し、レン・エリスの力を借りなくても自前の歌手で活動できるめどが立ってきたようです。56年ブルーノ・デ・フィリッピ、パオロ・オルダニーニ、・ピエロ・ヴィッラ達はアントリオをトニー・ダララの芸名でリード・ヴォーカルとして、ポピュラー(カンツォーネ)曲を中心としたバンドに転換しました。そのまま活動が続きましたが、57年に結局ロッキー・マウンテンズは分裂し、トニー・ッダララをフロントマンとしてポピュラー路線に専念するイ・カンピオーニ (I Campioni)が誕生しました。

 

 

カンピオーニ 2は次回に続きます