★クラウディア・カルディナーレ (Claudia Cardinale)
本名クロード・ジョゼフィーヌ・ローズ・カルディナーレ (Claude Joséphine Rose Cardinale)チュニジアのチュニス(Tunisi)1938年4月15日生、女優。愛称はCC。
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FON- 1038(初盤2版(2折りジャケット)
活動期間:1955 – 現在
所属レコード会社:
サンレモ音楽祭への出品、出場はありません
公式ブログ:
前回書いたようにクラウディア・カルディナーレにとって1963年は「フェリーニの8½ (Otto e mezzo)」、ルキーノ・ヴィスコンティ(LuchinoVisconti)の「山猫 (Il Gattopardo)」に今回紹介するブレイク・エドワーズ(BlakeEdwards)監督の大当たりでその後シリーズ化した人気アメリカ・コメディ映画「ピンクの豹 (The PinkPanther (La Pantera Rosa))」に、日本でも主題曲も映画も大ヒットしたルイジ・コメンチーニ(LuigiComencini)監督の「ブーベの恋人 (La Ragazza di Bube)」と大作に恵まれた年となりました。
SS-1414 (1964年4月VICTOR - 日本ビクター) ピンクの豹 (THEPINK PANTHER THEME)/今宵を楽しく (IT HAD BETTER BE TONIGHT) [ヘンリー・マンシーニ楽団 (HENRY MANCINI)]
SS-1414
SS-1415
SS-1415
SS-1415 (1964年4月VICTOR - 日本ビクター) 今宵を楽しく (MEGLIOSTASERA (IT HAD BETTER BE TONIGHT))/すてきな唇 (MERAVIGLIOSELABBRA) [ミランダ・マルティ-ノ (MirandaMartino)]
最後が64年9月に日本で公開され、多分イタリア映画と言えばこの作品を思い出す方も多いのではないかと思いますクラウディア・カルディナーレ主演、アメリカのジョージ・チャキリス(George Chakiris)がで共演した伊仏合作の「ブーベの恋人 (LaRagazza di Bube)」です。屁理屈をこねるとブーベはジョージ・チャキリスが演じる男性の名前、ブーベのその恋人{マーラ(Mara)」が主役、カルディナーレが演じているのは「ブーベ」ではありません。
FON- 1038 (1964年10月 FONTANA - 日本ビクター) ブーベの恋人(LA RAGAZZA DI BUBE)/ブーベのブルース (BUBE) [オリジナル・サウンドトラック(ORIGINAL SOUNDTRACK)]
FON- 1038
SFON- 7039
SFON- 7039
SFON- 7039 (1964年10月 FONTANA - 日本ビクター) 30cmLP ブーベの恋人(LA RAGAZZA DI BUBE)
今回調べていくうちに大変気になったことがあります。日本版ウィキペディア「ブーベの恋人」で『クラウディア・カルディナーレによる同作の主題歌のタイトルでもある。』と、しかも囲み内でも『音楽:カルロ・ルスティケッリ、主題歌:クラウディア・カルディナーレ『ブーベの恋人』』とあります。書くにあたってカルディナーレの歌っている国内盤、外国盤を調べましたが、彼女の歌っている「ブーベの恋人」はありませんでした。
もし間違われたとしたら、以下のこれではないでしょうか?
映画「刑事」で“死ぬほど愛して(Sinnò me moro)”を歌い大ヒットした「ブーベの恋人」や「刑事」の音楽担当であったカルロ・ルスティケッリ(CarloRustichelli)の娘アリダ・ケッリ(AlidaChelli)が、「ブーベの恋人」を歌っています。このサントラ盤の音楽版権を持つカム(CAM)アリダ・ケッリは同時期在籍していました。イタリアでもアリダ・ケッリの歌う「ブーベの恋人」はレコード化されていないようなので、日本ビクターの録音依頼曲ではないかと想像しています。
CAM- 1006 (1965年11月 CAM - 日本ビクター) 波止場のテーマ(UNNI SI)/ブーベの恋人 (LA RAGAZZA DI BUBE) [アリダ・ケリ]
SCAM- 3001 (1965年11月 CAM - 日本ビクター) 17cmCP アリダ・ケリ/イタリー映画主題歌ベスト・4 (ALIDACHELLI SINGS THE THEMES OF ITALIAN FILMS)
2.ブーベの恋人 (LA RAGAZZA DI BUBE)
SCAM- 7003 (1965年11月 CAM - 日本ビクター) 30cmLP イタリー映画主題曲ベスト・アルバム(FILM ITALIANA)
1.ブーベの恋人 (LA RAGAZZA DI BUBE)
CAM- 1006 SCAM- 3001 SCAM- 7003
ウィキペディアを書かれた方が、これを読んでいただくのが一番良いのですが、もし書いた方をご存じであれはその旨をお伝えいただき、訂正して下されば幸いです。
さて話を元に戻しましょう。クラウディア・カルディナーレにとって63年は意義ある年となりました。特にアメリカ映画の「ピンクの豹」はコメディも演じられる明るい面を認識させることが出来ました。今までにコメディ映画に出ていますが、デビュー間もなく妊娠・出産の事実を隠す口実とした英国映画「上と下」のような映画でも明るい女を演じられる状況でなかったでしょうし、その後にも長くその影を落としていました。
64年は2本の映画に出演し、両方とも本邦公開をされています。1本はアメリカ映画「サーカスの世界(Circus World)」、ジョン・ウェイン(JohnWayne)57才の主演、65年のゴールデングローブ賞を受賞した作品でした。
DM-1001 (1965年1月5日 MGM -日本グラモフォン) サーカスの世界(CIRCUS WORLD)/ジョン・ウェイン・マーチ (JOHN (DUKE) WANE MARCH) [ディミトリー・ティオムキン楽団 (Dimitri Tiomkin) オリジナル・サウンドトラック(ORIGINAL SOUNDTRACK)]
DM-1001
SS-1526
SS-1526
SS-1526 (1965年4月RCA - 日本ビクター) 気ままな情事 (LA NOTTE CHESON PARTINO)/恋を永遠に (E QUANTO TEMPO DIRERA') [ジミー・フォンタナ (Jimmy Fontana)]
もう1本は「気ままな情事 (Il Magnifico Cornuto)」でした。ウーゴ・トニャッツィ(UgoTognazzi:)の奥さん役のイタリアお得意の艶笑コメディ映画で、音楽はアルマンド・トロヴァヨーリ(ArmandoTrovajoli)、挿入歌はジャンニ・メッチア(Gianni Meccia)と歌も歌たっているジミー・フォンタナの共作です。
65年は2本に出演、両方とも日本で公開されています。63年ヴィスコンティ(Luchino Visconti)の「山猫」に出ましたが再び「熊座の淡き星影 (VagheStelle Dell'Orsa...)」に出演します。ギリシア悲劇「エレクトラ」を元に、トスカーナ地方の因習に縛られ呪われた一家のサスペンス・ドラマ、男優賞で「赤ひげ」の三船敏郎が受賞した65年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞jを受賞しました。音楽はクラシックが主ですが、ピノ・ドナッジォ(PinoDonaggio)の“この胸のときめきを (IO CHE NON VIVO (SENZA TE))”も挿入歌として使われました。
00AP-2301~10 (1992年12月12日 CBS SONY - CBSソニ-) 30cm 10LP Box ヴィスコンティと音楽 (VISCONTILA MUSICA)
5-1.熊座の淡き星影(VAGHE STELLE DELL'ORSA...)
00AP-2301~10
OR- 1234
OR- 1234
OR- 1234 (1965年4月15日 ODEON - 東芝音楽工業) この胸のときめきを (IO CHE NON VIVO (SENZA TE))/イル・モンド・ディ・ノッテ(IL MONDO DI NOTTE)
もう1本の「目かくし (Blindfold (L'affare Blindfold))」はフィリップ・ダン(PhilipDunne)脚本・監督、ロック・ハドソン (Rock Hudson)主演のアメリカ映画ですが、私はあまり記憶に残っていません。
66年は4本、インドシナを舞台としたアメリカ戦争映画「名誉と栄光のためでなく (Lost Command (Né onore né gloria))」ではアラン・ドロン(Alain Delon)やアンソニー・クイン (Anthony Quinn)と共演、アメリカ映画「プロフェッショナル (TheProfessionals (I professionisti))」ではバート・ランカスター(BurtLancaster)やリー・マーヴィン(Lee Marvin)の西部劇などの娯楽性の高いハリウッド映画に出演するようになります。
他の2本は日本未公開。伊仏合作映画「Le Fate」は4話のオムニバス映画、カルディナーレはマリオ・モリチェッリ(MarioMonicelli)監督の第2話「Fata Armenia」に出演していました。「UnaRosa Per Tutti」はフランコ・ロッシ(Franco Rossi)監督の作品です。
67~68年にはアメリカのコメディ映画「サンタモニカの週末 Don't Make Waves (Piano, piano non t'agitare!)」、スペイン映画「La Amante Estelar」、アメリカの「アフリカ大空輸 TheHell with Heroes (I contrabbandieri del cielo)」、ニューヨークを舞台としたイタリア映画「恋人泥棒 Rubaal prossimo tuo...」など世界をまたにかけたエンターテイメント映画に出演しています。
69年クラウディアも遂にマカロニ・ウェスタンに出演します。大量生産のB級作品でなくセルジョ・レオーニ(Sergio Leone)監督、エンニオ・モリコーネ(EnnioMorricone)音楽の大作「ウェスタン (C'Era Una Volta Il West」です。
SS-1920 (1969年11月25日 RCA - 日本ビクター) 復讐のバラ-ド (L'UOMO DELL'ARMONIA)/ウェスタンのテーマ (C'ERAUNA VOLTA IL WEST) [エンニオ・モリコ-ネ楽団 オリジナル・サウンドトラック(ORIGINAL SOUNDTRACK)]
SS-1920
SHP-6090
SHP-6090
SHP-6090 (1970年2月10日 RCA - 日本ビクター) 30cmLPウェスタン (C'ERA UNA VOLTA IL WEST) [エンニオ・モリコ-ネ楽団(Ennio Morricone) オリジナル・サウンドトラック(ORIGINAL SOUNDTRACK)]
もう1本異色の伊・ソ合作映画「SOS北極... 赤いテント Краснаяпалатка (La tenda rossa)」にも出ています。日本ではソ連版が公開され、エンニオ・モリコーネが音楽を付けたイタリア版は未公開、サントラ盤も未発売でした。
LL- 2387・MK (1970年8月 COLUMBIA- 日本コロムビア) ワレリヤの恋 (THE RED TENT -MAIN TITLE)/赤いテント - エンド・タイトル (THE RED TENT - END TITLE) [アレクサンドル・ザツェーピン楽団 (Aleksandr Zatsepin) オリジナル・サウンドトラック(ORIGINAL SOUNDTRACK)]
LL- 2387・MK
PAS-6019
PAS-6019
PAS-6019 (1970年 PARAMOUNT -PARAMOUNT,USA) 30cmLP赤いテント [エンニオ・モリコーネ版](THE RED TENT) [エンニオ・モリコ-ネ楽団(EnnioMorricone) オリジナル・サウンドトラック (ORIGINAL SOUNDTRACK)]
歌う映画女優、クラウディア・カルディナーレ3は次回に続きます