母親の面と、恋心を抱かれ、自身も恋に落ちていく途中の女性の一面・・・
よく考えれば、女性としては複雑で、揺れ動く心情を、切り替えながら表現するという
難しい役どころですね、詩織は。
「いま愛」の澪役から、いきなり母親役が板についていた結子さん。
当時は子供もいなかったころに、あの包み込まれるような、あふれる母性を醸し出せたのは
誰に対しても、まっすぐで、敬意と分け隔てない情をもって接し、対峙するご本人の
姿勢から生まれるものだと、僕は思います。
今回も、その空気感は、まったく色あせることなく、子に注がれるいっぱいの愛情を
見事に描き出しています。その傍らで恋する、恋に落ちていく女性の、けなげで、
いじらしい、ある意味素直になっていない部分である、独特の雰囲気もしっかり
だしている・・・・
Heart Wave・・・
さすがです、結子さん。
どの角度からみても、息をのむような美しさを携えながら、グラデーションのように
微妙に彩りがかわっていくような詩織の感情、表情を、ややオーバー気味に
わかりやすく、演じていますね。ある意味、いままでみてきた役どころの中で
詩織が一番、「やりすぎてる」感があります。
でもそれは、結子さんが「詩織」という女性像をかみ砕いた結果、ひとつひとつの
思考、動作、発言にインパクトを与えることを良しとしたからなのかもしれません。
こういうちょっと舞台劇的な、やりすぎてる部分も、意外に新鮮で楽しめてます。
おそらく、ドラマが進むにつれ、恋愛モードが高まるにつれ、持ち味の繊細な表情、
人らしい喜怒哀楽の感情表現、視線の動かし方などがふんだんに出てくるのかも
それませんね・・・
期待しています。