・TAMRON 28mm F2.5
アダプトールと言うのは、タムロン独自のバヨネット式交換マウントです。アダプトールには2世代あって、今回手に入れたのはアダプトール2時代の製品です。
・アダプトール2の刻印
もちろん、「SP」と付くレンズでなければ第一世代のアダプトールも使えるようなのですが、中古で出回るアダプトールのほとんどはアダプトール2だと思われるので余り神経質にならなくても良いと思います。
・アダプトール未装着状態
アダプトールを未装着ですと、外爪式バヨネットマウントの様に見えます。実際、アダプトールをボディに付けっぱなしでレンズ本体だけ交換すると言うのがこの時代のTAMRONレンズの主流の使い方です。
・アダプトール2
アダプトールはニコンAi用と、ペンタックスK用を購入しました。上記写真ではカメラマウント側が見えています。
・レンズ装着側
レンズ装着側は、まさに外爪式のバヨネットです。当時はこの仕組が好きでなくてタムロン製品を避けていたのですが、今回手に入れて見て「よく出来たアダプター」ということが解りました。
まず絞り環の回転方向ですが、これはニコン系とキヤノン系の2種類あります。ヘリコイド回転方向も同様なのですが、絞り環の様な制限は実は無くてAFレンズに於いてもメーカー純正と逆方向の回転になっている物は普通にあります。これは、ピントを合わせるのはAFセンサーに頼るので機械的制限が無いためです。ぶっちゃけ、ロモグラフィーのPetzvalの様な直進ヘリコイドでも問題無しです。
ちなみに、現代のAFレンズでは「ニコン回り=タムロン」「キヤノン回り=シグマ」となっています。
このタムロン28mm F2.5の場合は、ヘリコイドはキヤノン回りで絞り環はニコン回りになっています。と言うか、アダプトール仕様のタムロンの絞り環はニコン回りになっています。基本的に、ニコンと同じ回転方向の絞り環は「ペンタックスKマウント」と「オリンパスズイコー(銀塩のOM)」などで、意外と少数派。寧ろ、キヤノンと同じ回転方向の方が多い傾向です。
ちなみに、ニコンとキヤノンで絞り環やヘリコイド回転方向が逆なのは、ニコンは「コンタックス」をキヤノンは「ライカ」をお手本にしたためと言われたりしていますが、真偽の程は定かではないです。
ただ、ニコンの場合はレンジファインダー機の「ニコン S」で採用しているマウントは距離計の設計を別にすればコンタックスのレンジファインダー機と同じです。
さて、絞り環の制限ですが、ニコンとペンタックス以外はよくわからないのですけれど、少なくともニコンとペンタックスに限って言えば「ボディ側に絞り値を伝える仕組み」の関係上から「回転方向を変えられない」と言う制限があります。
また、特にニコンの場合はフランジバックの関係で複雑な機構をアダプトールに持たせると厚みを大きくしないといけません。ニコン一眼レフのフランジバックは「ライカRに次いで長い」ので、ニコン向けの厚みを大きくすると、キヤノンFDやミノルタMD用の厚みが更に増してしまい、カメラ装着時に長く飛び出してしまうことになります。
肝心なレンズの描写ですが、正直な話「逆光には弱い」ですね。フードでなんとかなるかというと、それも疑わしい感じ。
・逆光は苦手
上記作例では、左上にギリギリで太陽が入るのですがおもいっきりフレアが出てます。コシナの20mm F3.8と同じような出方ですね。まぁ、個人的にはこういうフレアの出方をするレンズは嫌いではないので、わざとやってみたのではありますけれど...。
・発色はいい感じ
発色傾向は、若干派手目かなと言う感じ。使用機材はニコンD700なのですけど、肉眼で見た感じよりは緑が濃く出ている感じ。解像感は悪く無いですね。Ai Nikkor 28mm F2.8sよりは柔らかい描写だとは思います。順光で撮ると割りといい感じの描写と言えます。
操作性は、古いレンズの割にヘリコイドグリスがしっかりを生きていていい感じ。アダプトールの脱着にコツがいりますが、全体としての操作性良いと思います。
これを手に入れたお陰で「SP 90mm F2.5マクロ(52BB)」も欲しくなってしまいました。AF用の90mm F2.8は絞り環が無いので選択肢に上がらないんですけれどね(´・ω・`)
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