今は更新がストップしているようですが、某作家さんがご自分のブログに現在進行中の出来事についてのご意見を書かれたり、ご自身の作品を紹介されたりしています。そのようなわけでトピックスは毎回異なりますが、気になる記事がありました。

 

それは医学に関連するもので、「10才の日本人少年が不治の病で半年の命となった時に、病室でドクター達が患者さんである少年には分からないように、その少年の命が短いということをドイツ語で話した。しかし、そのその少年は何故かドイツ語に堪能で医師たちの会話を理解してしまった。10才でドイツ語の医学用語が理解出来たなど、素晴らし過ぎてにわかには信じられません。例え日本語の医学用語であっても、10才で理解可能なものでしょうか?そして、自身の命が短いことを知ってしまったにも拘わらず、病院の庭で淡々と過ごす少年の姿が見られた。しかし、あれから時が経っているので、その少年は既にこの世の人ではないであろう。」というものです。

 

この話の元といいますか、事実は、、某大学病院に入院されたお年を召した男性患者さんに起こったことであり、医師達は患者さんに分からないように余命いくばくもない彼の状態についてドイツ語で会話しました。しかし、ご老人は若い頃にドイツに留学されていたことがあり、ドイツ語が堪能あったことから、自身の命が長くはないことを医師たちの会話で悟ってしまい、翌日、自ら命を絶った、というものです。患者さんの前でドイツ語ならば分かるまいと病状について話をした軽率な医師達は上司から大目玉をくらったということで、父が勤務していましたこの大学病院では、「決してこのようなことがないように」という注意が後々まで伝えられているということです。

 

その話に尾ひれがついて、上記の作家さんが書かれた架空の少年バージョンや少女バージョンも出回っているようです。 作家さんは「この少年はドイツ語が堪能で医師達のドイツ語を理解してしまい、自分の命が短いことを悟ったのであろう」と書かれています。しかし、この10才の日本人少年がドイツで生まれたとか育ったなどという背景があったとしても、医師達がドイツ語の専門用語で話すことが理解できるとは到底思えません。日本語での会話でも医学用語は10才の少年には難解でしょう。本物の主人公のご老人はドイツに滞在されていたわけですし、様々な経験がおありになる方ですから、医師達の言葉の端端からご自分の死期を悟られたということは不自然ではありません。

 

どう考えても眉唾もののこの少年バージョンを事実として掲載される前に、関係する医局に問い合わせられて事実関係を確認されるべきだったのではないでしょうか?