二番目に予告されたABC殺人のBの事件の犠牲者となったのは、Bで始まるベクスヒルのカフェでウェイトレスとして働いていた若い女性です。彼女の名前はエリザベスなのですが、Bettyと呼ばれていました。彼女の遺体が発見された時に回りの人達は「天使のように可愛かったあの子が何故?」と口々に言うのですが、彼女の実姉だけは「天使なんてとんでもない。あの子はそのような良い娘ではありませんでしたよ。いわゆる”今どきの娘”でした。」とポアロに打ち明けます。

 

姉のその言葉は本当で、Bettyはストッキングの行商をしている男性からストッキングを買う振りをして、身に着けてしまいます。男性はストッキングの代金をBettyに請求するのですが、Bettyはスカートをめくり上げてストッキングをガーターベルトで止めてある太ももを見せて、「これでお代はいらないでしょう?」というような娘でした。 AとBの殺人事件はこの行商人が行く先々で起こっているので、彼が犯人と思われるような方向性でストーリーが進みます。

 

そして、Cで始まるチャールストンという場所での殺人の予告状がポアロの元に届けられるのですが、その到着は遅れていて、ポアロが予告状を読んだ時には既にCの殺人が行われており、被害者はCで始まるカーマイケルという名の富豪の男性でした。(続きます)