内藤剛志さんは「科捜研の女」や「捜査一課長」のみならず数多くのミステリー作品に登場されていますが、いまだかつて悪役を演じているのを見たことがありません。刑事役がぴったりで実は本当の刑事さんなのでは?と思える程です。実は私は内藤さんの大ファンで、ファンだからそう思うのかもしれませんが、真野あずささんが主役の「検事・朝日奈耀子」での内藤さんの役柄が検事の補佐役となっていて、内藤さんに似合わない気がします。内藤さんは命令する側の人間である方が自然に見えます。勿論、捜一課長であってもその上の役職の人物は沢山登場しますが、現場においては内藤さんがトップであることが望ましいと思います。

 

「科捜研の女」シリーズの最初の頃は内藤さんは土門刑事役ではなく、科捜研で行っているような科学鑑定をする専門家を演じていました。そのシリーズでは、しばしばコミカルなセリフを言ったりしていたのですが、この科学鑑定士もコミカルな表現も内藤さんには全く似合っていません。土門刑事として内藤さんが再登場してからこのドラマが一層引き締まった感じになったと私は感じています。土門刑事には権藤刑事という直属の部下がいましたが、刑事を辞めてある事件の真相を探っていた権藤の同僚が殺された回に彼も刺殺され、このシリーズから去りました。その後釜として木島という若い刑事が土門の部下として配属されて来ます。木島刑事は26歳という設定でしたが23歳位に見えましたし、いささか頼りない感じです。そのためか、自殺か他殺かを調べるための実験台として科捜研のメンバーにこき使われる場面などもあり、強面の前任者、権藤刑事とは対照的です。

 

権藤刑事は殉職、木島刑事も負傷して他部署への移動ということでこのシリーズを去っていますが、お二人とももう少し長く居て頂きたかった。特に土門・権藤刑事は絶妙な強面コンビだったのになんとも残念です。