大分医療センターでクラスターが発生。

この雑な表現がとても気になるが、まあ、ニュースがそう伝えている。
大分医療センターは、元々は海に面した場所であったけれど、湾岸の道路が整備されたり、きれいな遠浅の海が埋め立てられたりで、やや海までの距離が遠くはなったけれど、整備されたきれいな病院。
敷地内の清掃も、行き届いている。

難しい。
まさか、担当している目の前の患者さんがコロナウィルス感染症であるとは、夢にも思わなかったろう。
普通は、何らかの症状のない限りは、通り抜ける。

この時点での診断の可否を問うてはならない。
最前線で奮闘して患者のために神経も体力もすり減らしている医療者を、決して後刻の判断などで、軽はずみに批判するようなことをしてはいけない。

渡航歴確認などというのは、すでに常識の前の段階ではあるが、問診の手がかりとなるものが、他に見当たらないから良くない。

病院で一人、二人、と患者が発生した場合は、濃厚接触である可能性が高いだけに、あっという間に患者集団が発生することが予想される。
水際で予防できるか?

このあたりの対応の仕方は、それぞれの部署で検討を重ねる以外にはない。
国会で野党議員らが、審議拒否だのモリカケだのと、この緊急時になっても呑気に会議室のソファで言ってる間にも、感染の裾野は広がり続けている。

コロナ肺炎が一旦発症したなら、重症度はインフルエンザ肺炎の比ではない。
専門家の意見であり、自分もそう考える。
でも、助かっていっているではないか、というかもしれない。
それは、優秀で、大抵の場合、極めて優秀・真面目な医師たちが、そこで頑張っているからである。
運が良いのでも何でもない。
療養を担当する医師がいて、最前線で的確な判断を行なっているからこそのこの治療成績なのである。

とにかく、急がなければならない。
ここから先は、とにかく人海戦術で急ぐ。
予想されていたいくつかの最悪のシナリオのひとつが、起きてしまったのである。

さて、まだまだ、このウイルスとの戦いは終わらない。
自分にも自分の持ち場がある。