年々女性の婚期が遅くなり、不妊治療を受ける年齢も上がってきています。
高齢の不妊治療は長い期間がかかってしまうことが多く、
「いつまで治療を続ければいいんだろう…」
と悩んでいる方も少なくありません。
高度な生殖補助医療などを選択できる自由がある反面、多くの選択肢の中から『選択しなければならない不自由』もあります。
治療が長引いてくると、自分で選択しなければならないことが増え、それが不妊患者を悩ませることの一つだと、生殖医療カウンセラーの平山史郎氏はいいます。
「この治療をしなさい」「あと1年で治療は終わりです」と決められていれば迷うこともありませんが、治療をするのかしないのか、どの治療をするのか、何回ぐらいするのか…いろいろな事を選択しなければなりません。
もちろん大体の目安はありますが、最終的に決断するのは自分です。
不妊治療をやめられない原因はいろいろあります。
- 次はできるんじゃないかと思うから、
- 仕事を辞めてまで治療に専念してきたから、
- 大金をつぎ込んできたから、
- 子供のいない人生なんて考えられないから…etc…
妊娠という結果が出るまではやめられない、と思っている方も多いと思いますが、結果=妊娠だけではありません。
「妊娠しなかった」という結果もあるのです。
妊娠しなかったことは結果が得られなかった事ではなく、「妊娠しなかった」という結果が得られたということです。
「結果が出せない」と自分を責めたり惨めに思ったりするのではなく、「妊娠しなかった」という結果を出すことのできた自分を認めてあげましょう。
治療が長くなってくると、夫婦の考え方の違いも気になってくるところです。
女性はもちろん「妊娠第一」という方が多いのに対して、男性は「奥さんの身体や気持ちが第一」「今を楽しみたい」という方が多いのです。
「治療で辛い思いをしたり体に負担がかかるならそこまで頑張らなくてもいい」、「できるかできないか不確かなものにお金をかけるよりも、旅行に行ったり美味しいものを食べたりしたい」、といったように…。
1番の理解者だと思っていたパートナーとの気持ちのズレを感じ、さらに孤独を感じてしまうこともあるでしょう。
不妊治療は夫婦2人でしていくものですから、1人で頑張っても空回りして余計に辛くなるだけです。
あなたはどうしたいのか、相手はどう思っているのか、子供ができたら(またはできなかったら)、どんな人生にしたいのか…などを話し合い共有してみましょう。
不妊治療に限らず、お互いの気持ちを話し合い将来を思い描くことは2人のこれからにとって、とても価値あることだと思います。
どうしても子供がほしいという方の選択肢として、養子という選択肢もあります。
日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では珍しい事ではなく、有名人が養子をもらうという話もよく聞きますよね。
「生みの母より育ての母」という言葉もあるように、子を育てることの方がより母として必要とされ、母としての喜びや楽しさ、悲しみや苦悩などを味わうことができるのではないかと思います。
養子縁組には自治体が行っているもの、民間で行っているものがあり、様々な条件があるので、気になる方はまずは自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
「もう少し頑張ったらいいのに」または「まだ続けるの?」まわりにいろいろ言われるかもしれません。
もしかしたらドクターにもやめた方がいいと勧められるかもしれません。
でも、最終的にどうするのかは自分で決めましょう。
「出来ることはやるだけやった、もう後悔はない」と思える、
頑張った自分を褒めてあげたい、
治療をやめると思うとなんだか清々しい…
そんな気持ちになったら、きっとやめどきなのではないでしょうか。
子供を授からなかったとしても、「この経験は決して無駄じゃなかった」そう思える日がきっと来ると思います。
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