Holy Night | 少年記 コウ オフィシャルブログ「WORD BOUTIQUE」Powered by Ameba

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この聖なる夜に、何を願う










堕ちた聖者
嘆きの詩

懺悔とも云うべき旅の末路は

後世に残すには、何の喜びも得られない、
残酷な形で終わろうとしていた


『否、終わりではあるまい』


語りかける声
無視する勇気さえ、持ち合わせてしまっていた






もう、僕の腕は傷だらけだ

誰かのせいにしながら、誰かにすがりたかった
それを超える為の、旅だったのに
何も変わっていない、何も得ていない



もう、僕の眼は嘘しか見えない

偽りの鬼、無数に取り巻き、
けたけたと笑いながら
僕の精神世界から侵蝕してゆく



もう、僕のこころは毒しか産み出さない

守りたかった、助けたかった
何事にも屈さない想い、気づけば毒にまみれ、
血と混ざり合い、負の連鎖に溺れてゆく





星屑のマント、僕が描いた無限の空

ねぇ、すごくすごく奇麗なんだよ!!
この海の向こうに、無限の星空が広がっているの
そこはね、昼も夜もなくて…
手を伸ばせば星に届きそうな、そんなところ
あらゆる花が咲いて、全ての動物達が…水も、風も柔らかくて、
まるで全ての命がそこに集まったような、そんなところ

僕は行きたいんだ、盟約の場所


















『そこにあなたのようなニンゲンが入ってしまうと法則が壊れてしまうわ。
“感情”を持った、摂理を犯す異物。消えなさい』





















この聖なる夜に何を願う、

“感情”を抱いた世界の異物

















涙が、悲しみや嬉しさ、感情の基準値を超えた時に
産み出されるものなら、
もうそんなものいらない。

言葉が、誰かを傷つけ、そして助けるのなら、
もうそんなものいらない。

この旅が、誰の為、そして何の為
僕自身の中で絶対的な芯を為しているのなら、
もう、そんなもの…

僕の苦しみも、悲しみも、
僕のこころが産み出しているものならば
もう、僕自身もいらない













『あなたたちは、感情を抱くが故に
個体個体が唯一無二。

この全世界で、それぞれが絶対的なの。

苦しみも悲しみも、いつか辿り着く楽園の為。


そして、次元を超越する存在と成りうる為。



ヒトが流した涙で、一つの海が産まれるの。』










思えば聖なる夜と云われたこの日も、

きっと誰かの苦しみから、願いを産んで、
暖かさと光に包まれた夜になったのだろう

何かを願い、涙する無垢なこころを、

異物だと消し去ることがどうしてできるだろうか































僕の視覚と聴覚は、
相も変わらずノイズがかったままだ。