妊活をしているからなるべく控えるように努めているものがある。
一つは、豆乳を飲むことを控えている。まだ不妊治療を始める前、にがりを入れると固まるくらいの濃い豆乳を数ヶ月、毎日コップ一杯以上飲んでみたところ、排卵までの期間が伸び、元々長めの生理周期が益々伸びることに気がついた。更にその後、松林先生のブログで豆乳について検索したところ、「豆乳は外からのE2を補うに過ぎませんから、かえって体内からのE2が出ることを抑えてしまいますので、やめた方がよいでしょう。」「豆乳は体内(卵巣)からのE2が出るのを抑えるだけでなく、投与した薬剤の効果を正確に判断できなくしてしまいますので、やめた方がよいでしょう。」との記載があり、すっぱりやめることにした。
ただ、紅茶や青汁を飲む時など、ミルクの類を欲する時はしばしばあり、豆乳も牛乳も避けたい*1) 私は、豆乳以外の植物性ミルクの中から満足できるものを探す旅に出た。最近やっと、イギリスの “Minor figures” という会社のバリスタ用オーツミルク(オーガニック)に出会い、嬉々として飲んでいる。パッケージのふざけた印象に反し、中身からは本気と情熱を感じる。本当に美味しいのでお勧め。
二つ目は海藻を好きなだけ食べることを控えている。私は海藻全般が好きだ。家にストックがないと不安になるくらいには依存していた。昆布出汁で炊いたご飯、ご飯に海苔、ご飯にワカメというものは、何故あんなにも魅力的なんだろう。しかし今は、焼き海苔は1日に二つ切りを2枚まで(全形一枚まで)に自制している。又、ご飯を炊く時に出汁用昆布を入れないように気をつけている。チラーヂンをもらうために受診した伊藤病院*2) の初診問診票で、「海藻を恒常的に食べすぎていないかどうか」を細かく問われ、それほどヨウ素の取りすぎは甲状腺機能に影響するのだと理解した。
3つ目は、夫と一戦、交えること(もっと上品な言い方を教えてくださいw)。結婚13年目の夫婦と言えども、コミュニケーションの一環として有益な部分もあるので避けたいわけではない。だが、以前通っていたクリニックでの子宮内フローラに関する治療と心理的な挫折*3) が辛すぎて、「一戦交えることで子宮内フローラに影響を与えるのではないか。また出口のない袋小路に入り込んでしまうかもしれない。」と思うと、どうしても気が進まなくなってしまった。そもそも潔癖かつ一途なので(自分で言っちゃうw)トイレの便座は念入りにクリーナーで拭かないと座ることができないし、便座のビデやおしり洗浄は使ったことがないし、温泉では風呂の椅子を除菌ハンドソープで泡だらけにしてからしか使わないし、他と一戦交えたことはない。従って子宮内フローラが乱される原因が、夫との夜の戦くらいしか思い当たらないのだ。筋トレで体力もついた夫は、フラストレーションが溜まる度に「俺はどうすればいいんだー!ち○こをヨーグルトで洗えばいいのかー?!」と叫んでいる。
できることなら真面目にお尋ねしたい。私のように子宮内フローラの治療を受けた方は、その後「子宮内フローラが乱れるんじゃないか」がやたらと気になってしまいませんか。昨年夏、不妊治療を一度諦めた期間だけは全く気にならなかったのだが、治療復帰後は子宮内フローラが気になってしまい、SEXする気が失せてしまう。もちろん、診察室で聞くには、くだらなすぎる気がして聞けません。。。(チーン
*1) 牛乳は乳糖不耐症だから少ししか飲めない。
*2) 今通っている不妊治療クリニックはチラーヂンを処方してくれるので、現在は、伊藤病院には通っていない。
*3)経験した子宮内フローラ治療と心理的挫折は以下の通り。
1回目の子宮内フローラ検査でラクトバチルス率が12.9パーセントだったため、フラジールとインバグ4週間分(1週間分の1シート9,900円)、更にラクトフェリンを朝昼晩に2,1,2錠ずつ(ラクトフェリンは移植までずっと)を必要な治療として処方された。フラジールによる吐き気が3回目の服用の数時間後にピークに達し、胃液しか出ないところまで吐き戻してしまったため、翌日に電話で、当時通っていたクリニックに(クリニックが開くのを待って)連絡した。院長に聞いてくる、と言った事務の方が伝えてくれたのは、「1日量を減らしてでも、とにかく全量を飲みきり、インバグも全て使い切ってから次の予約を入れてください。」ということ。もう薬を口に入れるのも怖いのが本音だった。しかし「自分さえ我慢すれば不妊治療で結果が出せるのならば。」と持ち前の意地を発揮してしまい、胃腸の不調をこらえながら、フラジールを1日2錠に減らし、最後には1日1錠にまで減らしてでも無理に飲み続けた。すると、案の定、胃腸の不調は増すばかりで、とうとう肛門のすぐ上あたりがズーンとするような嫌な痛みを何度も感じるようになった。友人のツテを頼り、すぐに内視鏡指導医の内視鏡検査の予約をねじ込んでもらった。逆流性食道炎と直腸炎になっていた。
それらの症状が落ち着き、直腸炎の組織検査での結果が “Non specific” であることを確認したあと、必須と言われた2回目の子宮内フローラ検査を受けた。2回目でラクトバチルス率が61.2パーセントだったため、ダラシンと再びインバグ4シート(4週間ぶん)とラクトフェリンが処方される。ダラシンは問題なく飲め、インバグも使い切った。
そして、これまた必須と言われた3回目の子宮内フローラの検査の予約をしようとした。ここで、3回目の検査の結果待ち期間がお盆を挟み、3週間ぐらいはかかるだろうことを加味すると、採卵日(1回目の子宮内フローラ検査をした日)から、胚移植が一度もできないまま約半年が経過してしまうことに気がついた。不妊治療を始めた時から常にカウントダウンの時計を視界の端に感じながら走り続けている。それなのに、どうしても抜け出せない袋小路に迷い込んだような気がして心がポキンと折れた。
そして、一度思い切って不妊治療をやめた。3回目のフローラ検査の予約は取らなかった。夏の間、ワシントンに滞在し、息子と毎日スミソニアンに通い詰める日々を送った。「息子と夫と私、3人で十分幸せじゃん。」と心から思えた。アメリカでは自己流でタイミングを取る程度にとどめ、不妊治療のことは完全に忘れて過ごした。
