あとを引かない名作?レベル7 | 陥穽

陥穽

陥穽(かんせい):落とし穴
詐称・詐欺・偽装・・・世の中はさまざまな陥穽に溢れている
騙されちゃいけない、なんて事書こうと思ったけれど・・・
感想文が多くなってしまった(^^;

十年ほど前、自称、読書好きという新入社員が入ってきました。

ジャンルは小説全般だと言うので、どんな作家が好きなのかを聞くと、

村上春樹東野圭吾宮部みゆき ・・・

メジャーどころばかりでした(笑)

そりゃそれなりに面白いだろうよ。

というツッコミは、新人さんゆえ留めましたが、考えてみれば、流行り物は避ける傾向のある私には、その当時、いずれも読んだことのない作家さんばかりでした。

# 村上春樹 は、今だ一ページも読んでいませんがwww

その中でも、特に 宮部みゆき が読みやすいと聞き、中でも レベル7 が最高と聞き、読んでみることにしました。
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一瞬の頭痛と共に動悸に襲われた目覚めの後、奇妙な違和感がを襲った。
白い壁と白い天井に囲まれた部屋、そして、同じベッドの横で眠る女性
いずれにも、全く覚えがなかった。
それだけではなかった。単語や、物の名前、日付、そして、自分の名前も思い出せない。
ふと腕を見ると、そこに数字と記号が書かれていた。
「Level7 M―175―a」
気付くと、彼女も目覚めていた。やはり、記憶をなくしていたのだった。

一方、大手保険会社のカウンセリング部門に所属する真行寺悦子の元に、相談者である女子高生貝原みさおが失踪したと、母親が訪ねてきた。母親から渡されたみさおの日記には、
「明日 レベル7まで行ってみる 戻れない?」
という一行が、最後に記された文字として残っていた。
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600ページを越す大作ですが、主筋では4日間しか経過しません。

過去の回想シーン等は少なからずあるのですが、一日あたりの充実度は高く、どちらかというと凝縮された感があります。

「レベル7」をキーワードにした、二つの物語が展開していきますが、この物語のどこに接点があるのか、解りそうで分かりません。

追求してゆくごとに思考は分散しつつも、しかし徐々に真実が浮かび上がってゆくという巧みな展開が、ページ数を稼ぎます。

基本的には、謎を楽しむ作品と感じましたが、それを生業とする探偵は出てきません。

また、良くも悪くも、読後の達成感をあまり感じられない作品でした。

後を引かないのはフィクションとしての美学とも言えますし、ページ数の割には感銘を受けないという残念さもあるかもしれません。

とはいえ、読んでいるときのワクワク感や、展開の面白さは逸品です。

この後、宮部みゆき の作品を幾つか読みましたが、現時点では一番の作品と思っています。

新人くん(といってももう十年選手か・・・)、なかなか良い目をしていたのかも知れません。

まだ宮部みゆきを読まれたことの無い方は、これを最初に読むと、以降ちょっと物足りなくなるかもしれません。

いや、それは言い過ぎかなw

きょうはここまで。

レベル7(セブン) (新潮文庫) [文庫]
宮部 みゆき (著)
陥穽-レベル7