ピクサーは、劇場公開された長編映画作品として初のフルCGアニメーション作品、トイストーリー を制作しました。
以降、バグズ・ライフ 、モンスターズ・インク 、ファインディング・ニモ といったビッグネームを世に送り出し、最近では、WALLE が上映されました。
これらに比べると、知名度は少なく、同時期にゲド戦記 が上映されたこともあって、日本での興行収入が、前作のMr.インクレディブル の半分にしか至らなかった、カーズ というアニメがあるのですが、私は、この映画が一番気に入っています。
##################################################################
全米カーレースの頂点、ピストンカップの決勝戦を制すのは一体誰か。連覇を重ねてきた不屈の王者ストリップ・ウェザース、通称キングか。常に二番手、キングのリアウィンドウを見続けてきたチック・ヒックスか。そして、彗星の如く現れた期待の新人、ライトニング・マックイーンか。
レースも後半に差し掛かり、やはり二番手のチックが、反則ギリギリの妨害工作を仕掛けると、三位以降の車のほとんどが巻き込まれてしまった。
しかしそれを華麗なテクニックで、マックイーンが潜り抜けてきた。事実上、この三台の争いとなり、ラストスパート。
ピットクルーの忠告を聞かず、タイヤ交換無しに給油のみでレースに戻たマックイーンは、ここで一気にトップに踊り出た。
ラスト一周、二位に半周以上の差を付けて最終コーナーに差し掛かるが、ここでマックイーンのタイヤがバースト!!
パンクしたタイヤのまま強引にゴールへ向かうマックイーンに、キングとチックが追い上げて、三台が並んでゴールイン!
写真判定にもつれこんだその結果は、前代未聞の・・・!!!
##################################################################
こんな導入部で始まりますが、基本的にカーレースの話ではありません。
レースをバックグラウンドにした、友情と協調がテーマの話です。
誰もが認める才能を持ってしまったが故にプライドが高く、他人を思いやる気持ちに欠け、友達と呼べる者もいない。
才能に寄ってくる者はいても、慕ってくれる者はない孤独な天才が、無邪気で、肩書きなど知らずに友達と呼んでくれる連中と出会う事によって、自惚れに気付き、広い世間をも知る。
ストーリー的には、ほとんど使い古されたパタンといって差し支えないでしょう。
こんなストーリーを、古き良き時代のアメリカ映画でよく使われそうな、クサイけどカッコイイ台詞が彩ります。
BGMも、一昔前の、良い感じの曲です。
# 音楽に対するボキャブラリーが足りません。。。(泣)
これが、実写だったり、普通のアニメだったりしたら、確かに受けは良くなかったでしょう。
しかし、カーズは、CGにより、車を擬人化させたアニメです。人間は一切登場しません。
人間のドライバーが、妙にカッコつけて台詞を吐くのとは異なり、絶対的な新鮮さがあります。
古今の統合、といった趣が、実に巧みに表現されています。
反面、これが売れなかった原因の一つだったのかもしれません。
内容は古き良き時代のアメリカンスタイルだったのですが、それは、観ないとわかりません。
観るまでの導入部、つまり、広告面でのアピールが難しかったのでしょう。
車のフロントウィンドウに、巨大な目が書いてある、なんて、いかにも幼稚である感が、否めません。
しかし、そういったキャラクターで無ければ、マンネリ化した、古臭いだけの映画になってしまったでしょう。
この矛盾に、真意は不明ですが、ピクサーもあるいは悩んだのかもしれません。
でも、これって人間にも当てはまると思いませんか。
とても強いのに、人には優しい性格だったとしても、外見が汚らしくては、まず、友達になりたいとは思わないでしょう?
ある意味そういった、手本的な要素も含まれています。
子供向け?とんでもない。
うぬぼれ、身勝手、うわべの付き合い、嫉妬、欲求、傲慢、動揺、裏切りといった、大人ならではの泥臭い部分もきっちり表現されており、果ては、政府に対する皮肉や、エコロジーにまで言及しています。
もちろん、子供(特に男の子)も楽しめますが、立派な大人嗜好の作品であると、私は信じています。
今日はここまで
カーズ