この「白斑」は、皮膚の色素であるメラニンを生成する細胞(メラノサイト)の異常から起こることがわかっています。
メラノサイトの機能が低下するとメラニンが生成されなくなって、皮膚に脱色したような白い疾患ができるのですが、はっきりした病因については不明なことが多いのが現状です。
白斑の治療法として、現在いくつかの方法が行われています。
副腎皮質ステロイド剤療法や紫外線照射療法(PUVA療法)、あるいは表皮やメラノサイトの移植手術などが行われてきましたが、なかなか治りにくい病気として患者様を悩ませてきました。
白斑の治療法に紫外線照射療法(PUVA療法)というものがあります。
この治療法は、オクソラレンという薬を塗布、または服用し、その後に比較的安全な波長の長い紫外線(UBA)を照射する方法です。
紫外線の働きで、メラノサイトを活性化させて、皮膚のメラニンを増やし、白斑を消していく療法です。
なかでも近年では中波長紫外線のうち、ごく狭い範囲の波長を照射するナローバンドUVB療法が普及して効果をあげてきています
最近になってハーバード大学のウェルマン研究所で開発された白斑治療専門のレーザー「ダブルエックス」や、さらに白斑に対して著しい効果を発揮するレーザー治療法「ウルトラ・エックス」が登場して、最先端の白斑治療として脚光をあびるようになってきました。
こうした医療レーザーによる治療では、病変部だけをターゲットにして光線を照射するので、
①正常な細胞や組織に紫外線によるダメージを与えない
②一度の治療でナローバンドUVB療法より大きな効果が得られる
というメリットがあります。
最先端の医療レーザー機器は、現在ではまだわずかの病院にしか設置されていませんが、今後の白斑治療においては主流となっていく治療法だといってよいでしょう。
白斑治療に有効な最先端レーザーは、乾癬の治療にも高い効果を示しています。
乾癬とは、赤く盛り上がった皮疹ができ、白いフケや垢、かさぶたが付着する症状です。
乾癬をこすったり刺激を与えたりすると、広い範囲にひろがってしまうので、注意が必要です。
この乾癬も、最先端レーザーを使用して白斑治療と同じように治療することができます。