いつだってやめられる | Un bel giorno di tredici

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~ある素敵な13日~

イタリアに関することを中心に、
楽しいこと好きなことを書いていきます。

『いつだってやめられる』

(SMETTO QUANDO VOGLIO)


監督・原案・脚本 シドニー・シビリア


たぶん『絶対にやめられてない人たちの映画』

なんだろうなと思って観ることにしたよ(笑)。


予算削減で大学の職を失った生物学の研究者・ピエトロ。

生活に困った彼は合法ドラッグを作って稼ぐことを思いつく。


合法ドラッグ製造の為に、彼が声をかけたのは

化学者、数理経済学者、人類学者、ラテン語の専門家。

才能がありながらも職がなく、

生活に困窮している人たちばかりだった。


若者の失業率が40%を超えるイタリア。

大学を卒業しても職がないという話は有名なだけに、

ユーモアの中にアイロニーを感じずにはいられない。


経済が全てではないけれど、

主人公のピエトロも国の経済状況が良ければ

その才能を合法ドラッグ造りには使わなかっただろう。


日本と一緒でイタリアでも

合法ドラッグ問題は大きいようだね。

(その割に、広場で堂々と

 マリファナの匂いがしているような国ですが(苦笑))


重い題材を扱っているのに、

ユーモアに溢れていて、それでもどこか現実味があるの。

重すぎたりコメディコメディしすぎたりせず、

絶妙なバランスで物語が進んでいく。


当初は研究者ならではの真面目な態度から、

どんどん行動が派手になり自信に満ちていく

変貌ぶりも面白かったねぇ。


最後のたたみ掛けるようにオチに流れ込んでいくのも

観ていて本当に心地良かった。


今回の映画祭で一番面白かったんじゃないかな。



2015年イタリア映画祭

http://www.asahi.com/italia/2015/works.html