2007年。ScreenGems/Hal Lieberman."VACANCY".
ニームロッド・アンタル監督。
 最愛の息子の事故死を契機に関係が修復不可能になり、離婚の手続きをするために自宅へ帰ろうとする夫婦。夫がハイウェイを離れた近道を通ろうとしたことから、道に迷い、怪しげなモーテルで一夜を過ごすはめになる。
 しかし、その人里離れたモーテルは殺人鬼が経営する恐怖の殺人モーテルだった。

 という正真正銘のグラインドハウス映画の復刻版。主演を、NYを舞台にした洒落たドラマの登場人物のイメージが定着しつつあるように見えるケイト・ベッキンセールとルーク・ウィルソンが演じているのが、この映画は意図的なチープさを狙っていることを表明している。

 オープニングのあからさまに安っぽいタイトル・クレジットのロゴ・デザインから主題は明確で、ストーリーは何のひねりもない。
 あまりにひねりがないので、ヒッチコック調の不安をあおるエンディング曲が流れる中で再び安いロゴ・デザインのエンド・クレジットが現れた後で、最後に何か起こるのではないかと席を立つ人がひとりもいなかった、この種の映画を見慣れていない(私も見慣れていないので最後までいましたが)そういう観客の愚かさをあざ笑うかのように見事に何もなく映画は終了した。
 いつの頃からか、ホラー映画やスリラー映画をまじめに見るという姿勢が観客層に定着してしまった。それはそういうジャンルの映画を見る態度ではない、と教えてくれる教育映画としては、この作品は一級品に値する。
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 安っぽいモーテル。特に不気味な雰囲気はなく、ただ単に安っぽいだけなのは予算の関係もあるのかも知れない。
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 うさんくさいマネージャー(Frank Whaley)とデビッド(L・ウィルソン)とのギクシャクした会話が、観客を1970年代のチープなホラー映画の世界へと誘う。
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 レン・ワイズマン夫人のケイト・ベッキンセール。フランス文学とフランス映画を語らせたら並の批評家はギブアップするくらいに知的な人物らしい。『アンダーワールド』でのヒロインは世を忍ぶ仮の姿だったことが徐々に見えてきた。
 ルーク・ウィルソンも、もはやオーウェン・ウィルソンの弟といった見方は必要ない独立した優秀な俳優・脚本家として次回作が楽しみな人物となった。
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 ひまつぶしにテレビを見ようとするが映らないので置いてあったビデオテープを見てみたら、ホラー映画みたいだが、どうも様子がおかしいことに気づく。
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 そこに映っていたのは、彼らが今いる4号室で行われている残虐な殺人現場の隠し撮り映像だった。
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 恐怖におびえる二人の悪夢のような一夜が始まる。脅かし方はかなり原始的でドアを強くノックする(これは、「ガキの使い」の『松本一人ぼっちの廃旅館1泊2日の旅』でも効果的なことが証明されている)ことから始まる。
 その後の展開はけっこう面白い。
モーテル
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Michael Fakesch, Christoph Harbonnier, Paul Haslinger, Lustmord, Jacques Deregnancourt
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地獄のモーテル
 
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