2006年。 Columbia. "ALL THE KING'S MEN".
スティーヴン・ザイリアン監督。
ショーン・ペン、ジュード・ロウ、アンソニー・ホプキンス、ケイト・ウィンスレット、マーク・ラファロ、パトリシア・クラークソン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ジャッキー・アール・ヘイリー、キャシー・ベイカー、フレデリック・フォレスト、その他出演。
 1949年に、後に赤狩りの犠牲者となるロバート・ロッセン監督のオスカー3部門受賞の名作(見ていない)のリメイク、ではなく、
同じロバート・ペン・ウォーレンのピュリツァー賞受賞作品の、2度目の映画化作品。

 1949年のルイジアナ州の政財界を舞台に繰り広げられる、愛と憎しみと陰謀と裏切りが渦巻く群像劇。
登場人物が入り乱れ、それぞれに複雑な感情を抱く関係を2時間ちょっとでまとめるのには、ちょっと無理があるようで、これは全24回のテレビドラマ1シーズン分くらいにしないと収まらないスケールの物語だったような気がする。
 先ごろ亡くなったロバート・アルトマンならおそらく手際よく見事に整理できただろうが。

 ジュード・ロウの視点から、熱い正義感に燃える政治家が、権力を手にしたときから次第に汚職にまみれ堕落していく姿を描いた物語。
 ショーン・ペンが善から悪へと激しく揺れ動く州知事を熱演。脇を固める豪華な出演者たちがかすんで見えてしまう。

 オープニングから、雨の夜、自動車に乗った、いかにも悪そうな表情のショーン・ペンと、拳銃を持ったドライバー(ジャッキー・アール・ヘイリー)と、不安そうな表情のジュード・ロウのシーンで始まり、
 これはまるでフィルム・ノワールそのものの始まり方で、つかみはバッチリだった、全体にフィルム・ノワールの雰囲気がただよう作品になっているのは素晴らしい。ギャング映画ではないが、ノワールのムードで物語は進行する。
 ストーリーは大河ドラマで、ドラマチックな展開がちょっと『華麗なる一族』を思い出させる。
 脇の描写がいまひとつ緻密でなく、せっかくの豪華スターの扱いがちょっともったいなく思われた。
  オフィシャル・サイト(日本)
IMDb
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カリスマ的な州知事ウィリー・スターク(ショーン・ペン)。一部の特権階級が貧しい労働者から奪ったものを取り戻そうという信念自体には変化はなかったが、目的のために次第に手段を選ばなくなってゆく。
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新聞記者から、スタークのブレーン的存在になるジャック(ジュード・ロウ)。ジャックは始めから終わりまで「見る人」の立場で、彼自身が行動を起こすことはない。観客と映画をつなぐストーリー・テラーの役割に徹した。
 あこがれのショーン・ペンと共演できると聞いて、出演を即OKしたらしい。
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貧しい出納官だったスタークは町の不正を告発して職を追われる、そこから州知事まで登りつめてゆく展開は面白かった。
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裕福な家庭に育った幼なじみの3人、ジャックとアン(ウィンスレット)、アダム(マーク・ラファロ、好演)、3人の幸福な関係が戻ることは2度となかった。
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州知事に就任してからのスタークは副知事のダフィ(J・ガンドルフィーニ)とともに汚職に手を染めてゆく。
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父親のような存在だったアーウィン判事(ホプキンス)を追い詰める立場になってしまったジャック。後半ドラマチックな展開とともに二人の関係にまつわる衝撃の事実が明らかになる。
 アンソニー・ホプキンスは信念の人の役だが、もうちょっと見せ場がほしかったような気がする。
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多額の寄付金をアンの学校に手渡すスターク、二人がただならぬ関係になったときも、初恋の相手であり生涯のただ一人の女性だと思っていたアンの行動をジャックはただ見ているだけだった。
 ケイト・ウィンスレットのウエストの太さが気になる。
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常に拳銃の手入ればかりしている不気味なボディ・ガード、シュガー(ジャッキー・アール・ヘイリー)。
 映画をフィルム・ノワールのムードに染めるのに重要な役割を果たした。
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ジャックとアンとの複雑な思いの交錯に、もうちょっと時間を使ってもらいたかった。
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