2004年、 Gaumont, "36 QUAI DES ORFEVRES".
オリヴィエ・マルシャル監督。
ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ミレーヌ・ドモンジョ、ロシュディ・ゼム、ダニエル・デュバル、フランシス・ルノー、カトリーヌ・マルシャル、その他出演。
 元刑事の監督が、元同僚のドミニク・ロワゾーと共同脚本で実在の事件や自分たちの経験をもとに作り上げた、フランス警察組織内部の腐敗と抗争をめぐるフィルム・ノワールの傑作。
 久しぶりにフィルム・ノワールという言葉がふさわしい映画が出現したような気がする。
 裏社会と密接なつながりを持ちながら捜査に執念を燃やすダニエル・オートゥイユ(ヴリンクス)と、出世に異様な執着を見せるジェラール・ドパリュー(クラン)との対立を軸に、男たちの激しい情念が渦まくドラマが展開される。
 映画を見ている間中、手に汗を握るほどに興奮したのは久しくなかったことだった。
 フランス中を震え上がらせた連続強盗事件の捜査のために、ある凶悪犯の復讐劇に立ち会うことになったヴリンクスは、その男からの情報により強盗犯グループを追い詰めるが、クランのミスにより、失敗する。
 追い詰められたクランは、ヴリンクスと凶悪犯とのつながりを密告する。
 ヴリンクスは7年の懲役刑となる。拘留中に彼の妻が凶悪犯との接触を持ったことから、警察の追跡中に死亡してしまったことを知り絶望するヴリンクス、
 7年後出所した彼は、妻を殺したのは、いまはパリ警視庁長官になっているクランであることを知る。
 「いつかすべてを話そう、この物語の結末を」
この映画のキャッチコピーになっている言葉を娘に告げると、ヴリンクスはすべてのことにケリをつけるための、ある決意を胸に行動を開始する。

 ハリウッドで、ロバート・デ・ニーロ、ジョージ・クルーニー主演でリメイクが進行中らしい。この作品なら、そのまま丸ごとコピーしても大ヒットするだろう。
 しかし、全盛期のフィルム・ノワール、たとえばジャン=ピエール・メルヴィルやジュールス・ダッシンの作品などと比較すると、ちょっとというか、かなり見劣りすることは確かで、今の時代にしてはよく出来ている、という留保つきでしかほめられない所が、映画全体のレベルの低下を物語っていて残念ではある。
   オフィシャル・サイト(日本)
IMDb
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ダニエル・オートゥイユのカッコよさにはしびれた。フィルム・ノワールは主人公が魅力的でないと始まらないジャンル映画なので、このキャスティングは成功だろう。
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クランのミスにより、親友エディ(ダニエル・デュバル)を死なせてしまったヴリンクスとクランとの対立は決定的となる。
 フランスの警察のやることはヤクザよりこわい、という「事実」にもとづいた描写にはちょっと驚いた。
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妻カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)に、自分が面倒をみてやっていた凶悪犯シリアン(ロシュディ・ゼム)には絶対に近づくなと面会のとき忠告するヴリンクス、しかしこれが妻との最後のひとときとなってしまう。
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銃撃戦やアクションシーンはハリウッド映画並みにかなり派手でリアルなものになっている。
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7年間の刑務所暮らしの後、すべてを失った男と、すべてを手にした男との宿命の対決がいままさに行われようとしている。
ジェラール・ドパルデューが憎たらしい人物を見事に演じていた。
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