立松和平の同名小説をロマンポルノ出身の根岸吉太郎監督が映画化。都市化の波が押し寄せる東京近郊の農村地帯を舞台にトマト栽培をする青年の姿を土着的なタッチでエネルギッシュに描いたドラマ。栃木県宇都宮。僅かな土地にしがみついてトマト栽培をしている青年・満夫。先祖代々の土地を売り、豪華な家を建てた父は、家を出てバーの女と同棲している。兄も百姓を嫌い東京でサラリーマンをしている。そんな満夫にお見合いの話が舞い込んできた……。

〜Yahoo!映画より引用〜

この映画は昔、深夜放送で観た記憶があった。

うとうとしながら観てたので

覚えているのは永島敏行と石田えりビニールハウスの中のラブシーンのみ。

なんだか、暗い映画だなぁ。

ってその時は思っていた。

だから、今回改めて観ると印象が全然違うくて・・・

うん。

これって、青春、恋愛モノだったんだな。

数日前に観た『愛と青春の旅立ち』とかぶる〜💦

『愛と青春〜』も『遠雷』も

主人公はなんだかんだ言って、最後には結ばれる。

しかし、主人公の友人は女性との関係で身も心も壊れていく。

そこね。かぶるのは。

で、この映画１９８１年のものだそうで

観ているととても懐かしい気分にさせられる。

当時、私は高校生。

その頃、よくユーミンの『恋人はサンタクロース』を聞いていて

ちょっと年上のおねえさんの大人の恋に憧れたものだ。

ユーミンの歌に出てくるおねえさんはおしゃれなだけど、

こちらの映画に出てくる人はそれとは程遠い。

（首都圏近郊の農家を継ぐ跡取りとそこに嫁にくる女の子の話だから、

それは仕方ないとして・・・）

もし、この映画を高校生当時に観ていたら

”これが大人の男か〜大人の女か〜大人の恋か〜”って思ったのかもしれない。

印象に残ったシーン

満夫と関係する女性二人。

二人ともラブシーンの前は自分からさっさと服を脱ぐ。それも全部！

監督がポルノ出身の方と聞いてたのだけど、

女から見ればあれだけあっけらかんとヌードになると、逆にエロさは感じない。

どっちかというと、永島敏行の方がエロい。

畑で真っ黒に日焼けして、きっと指の先とかも真っ黒で、土の匂いがしそうな

元気な若者が女の人を恐々、そっと扱ってる感じがとてもいい。

広次（ジョニー大倉）のビニールハウスでの一人語り。

あれだけのセリフの長さでワンショット。

ジョニーさん、セリフ覚えるの大変だったろうな・・・

あのシーンでジョニーさんが

”稲刈り頼むぜや”と言った言葉がなんだか救われる。

どの人を見ても、この時代にこんな人たちいてたよなぁ。

っていうのが懐かしさを膨らませるとてもいい映画でした。