本日3月11日はドミニク・サンダの73歳の誕生日です。
(1951年3月11日生まれ)
それを記念して、ドミニクの作品を紹介しています。
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今日ご紹介するのは、マルグリット・デュラスの実験映画です
『船舶ナイト号』(1979)
監督・脚本 マルグリット・デュラス
撮影 ピエール・ロム
共演 ビュル・オジェ、マチュー・カリエール
【あらすじ】
パリの夜、孤独から逃れるために電話を使って語り合う者たち。
互いの姿を知らぬまま、愛を深める者もいる。
視覚と聴覚が分断された電話というモチーフによって、デュラスはイマージュの不可能性を語ろうとする。
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デュラスと聞いて、知っている方が何人いることでしょうか。
フランス文学者にして映画監督であり、フランスの戦後の知識人/芸術家の中心にいたような女性です。
最も有名なのは1984年に発表した『愛人』でしょう。
映画化され、大変な評判になりました。
(その映画のナレーションをやったジャンヌ・モローは、2001年に『デュラス 愛の最終章』で主人公デュラス役を演じました。)
他にも、原作・脚本提供も多く、『ヒロシマ・モナムール』(1959年)、『かくも長き不在』(1960)、『雨のしのび逢い』(1960、モロー主演)、『マドモアゼル』(1966、モロー主演)があり、モローとの近接性が特徴です。
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デュラス自身で監督した作品は10作品を超えますが、中でも『インディア・ソング』(1975)が最も有名でしょう。
この『船舶ナイト号』(1979)も、デュラスが監督した1つです。
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この作品は、極めて実験的な映画です。
男女のナレーション(1人はデュラス)が語る、男女の電話を通じた愛の物語と、映像が全く関係がないのです。
ドミニクを含む3人の出演者は、何の役かも分からないし、セリフもありません。
また、その3人の映像とは別に、早朝と思しき、パリの無人の名所を長廻しで撮影した映像があります。
(『ママと娼婦』や『白夜』で知られるピエール・ロムによる美しい映像)
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どうやら、撮影後に監督のデュラスが失敗と断じ、まったく映画を作り替えてしまったようなのです。
ドミニクは、控室にいるようなショットばかりです。
長いブロンドヘアをとかす様子や、あろうことかメイクしている様子が延々と撮られます。
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こうした実験的な映画を過剰にありがたがるのは、どうかと思うのですが、あまりにも大胆な演出に隔世の感を抱くとともに、デュラスが自由に映画を作っていることが分かる映画です。
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