ショーシャンクの空に
- 松竹
- ショーシャンクの空に
つれづれなるままに43本目。ショーシャンクの空に。
言わずと知れた名作ですね。主演のティム・ロビンスとモーガン・フリーマンがやりすぎる所なく、実に抑えた演技で見事に役を演じきっています。うまい。こういったヒューマンドラマは、役者の気合の入った演技が作品を安っぽくしちゃう場合が多々あるんですが、この作品は上手く力が抜けてホントに素晴らしかったです。
まだの人は、予備知識なしで観る事を是非おすすめします。予想できる冤罪ものにありがちな結末を、心地よく裏切って爽快なラストを迎えられると思います。
原作はスティーブン・キングだから面白いのは当然なんですが、やはり大抵の映画が原作を超えて面白いなんて事は無い訳です。しかし、この映画に限っては原作を超えた、あるいは原作と同等のおもしろさを持ってると言えると思います。ダラボン監督がんばったね。同監督の「グリーンマイル」もキング原作のよく出来た刑務所のお話でしたが、これに比べるとやはり今一歩ってところですね。恐らく、この監督の一生のキャリアを通じても、2度と撮ることのできないレベルの作品だと思います。
それと、こういう類の話は得てして観客を泣かせようと話を盛り上げるシーンがあって、個人的にはたまに製作者サイドの「いざ!!!」って声が聞こえて来そうでひくんですが、この作品はそれも押さえ気味でそういった幻聴はありません。泣くとしても自然とホロリって感じになるのではないかと思います。とにかく、成功してる数少ない正統派ヒューマンドラマの一つであることは間違いないですね。
まあ当然、服役囚の描き方があやふやで、なんか良い人の集まりにしか見えないとか、犯罪者を正当化してるような感があるとか、いろいろ批判はあるところだと思いますが、個人的にはそれらの批判は少しピントがずれていますね。この映画が、テーマの中心に据えているのは、どんな状況に置かれてもそれは自分の心持ち次第で変えていけるものということで、それに限っていえばこれは成功していると言わざるを得ません。囚人の描写等は、そのためのプロットであって作品を生かす為の演出です。そこに現実的じゃないという批判を持って来てもしょうがないです。
恐らく、数十年先の映画ファンにとっては20世紀の名作映画の一つになってるんじゃないでしょうか?しかし、なぜかこの作品アカデミー賞は無冠なんですよ。で、そのときの作品賞がなんと「フォレスト・ガンプ/一期一会」。うーむ謎です。きっと未来の映画ファンからは、20世紀のアカデミー協会の連中は映画を観る目がまるでなく、政治的な理由で作品賞をあげちゃう下らないアホ揃いだった。と馬鹿にされることでしょう。