少年時代に読んだ、題名のシェークスピア(英国)の悲劇、「マクベス」が頭の中に甦って来ました。

 

 概略のお話しですが、仲の良いスコットランドの将軍2人が戦いの帰りに森の中で出逢った妖婆達の予言に依り(自は王に、そしてその隣にいた親友についてはその子が王に登りつめるだろうという予言だったのです)、主人公のマクベスはすっかり出世のためにその気になってしまい、更に追い打ちをかけるようにその事を告げられた主人公の奥様(のちの王妃)は、無理矢理夫の出世のために自身を変身させてしまい元は優しさいっぱいの自身を悪の姿に変身させてしまうのです。(尚、主人公やその王妃の妖計の為やはり殺害されるに至った、共にいた親友の子供は予言通リ後に王になります。)

 

 王妃の協力に依り多くの血を流し、最高峰の王まで登りつめた主人公は、しかしやがて歴史が証明しているといっても良い例の通リ、没落、崩壊への道を辿り滅んで行きます。

 

 夫の出世のために変身を無理矢理遂げたと見えた王妃は、しかし最後はとうとう悪女に成り切れませんでした。

「ああ!血だ、血だ!洗っても洗っても血が消えない!」

 そう叫んで狂死という道に辿り着いてしまうのです。

 

 現在の話に飛躍しますが、最近やっとブラック企業、従業員の健康、酷使の問題がクローズアップされる事に至っていますが(まだまだ突けばいっぱい暴露される事例数多い事だろうと私は勝手に推測しています)。しかしあらゆる意味で追求の手を緩めてはいけません。世の為、人の幸せの為にも是非ともです。

 

 権力、富を守るため、人を踏み台にし、潰し、無理矢理な変身を遂げ多くの罪の無い人達に危害を加え、操り人形のように扱い(最後には死に至るなんて例もありますよね!)自分は安全なところに、悪党を使ってまで居座る権力者たち。

 

 話は戻りますが、初めに挙げた「マクベス」では、悲劇ではありますが最後には悪事をそそのかし自らも悪の道にのめり込んだかに見えた主人公の王妃が、結局は悪人になり切れなかったところに、まだ大きな救いを観る事ができるのです。

 少年時代、王妃がカラスがいっぱい飛ぶのを観ながら変身を覚悟するシーン、そして最後に「ああ血だ!血だ」と呻きながら何度も手を拭くシーンは本の挿絵に描かれていましたが、忘れる事のできない名場面です。(日本映画では黒澤明監督が『蜘蛛の巣城』という映画で映画化しました。主人公は三船敏郎さん、親友役は千秋実さん、そして主人公の奥方役は名女優、大女優の山田五十鈴さんが迫真の大演技を披露しておられます。)

 

 どうか世に幅を利かせている法で裁かれない事実上の殺人を犯している人達、そしてその悪人達に様々な意味で、やはり自身を変身させてしまい、パートナーとして無理に悪の世界に浸透している人達、どうか上記の主人公王妃に習って善の道に戻るように変身して下さい。

 

悲劇は繰り返してはいけません。

 

(`・ω・´)