世界の葉巻のすべてを、味・系譜・歴史・特徴などあらゆる角度で紹介していきます。
コイーバ (コヒーバ)
コイーバは、私が初めて吸った葉巻です。
当時は葉巻マニアのような人に教わって吸ったので、「ふかした」といった方が正確かもしれません。
実際にすごい高級葉巻を吸う人などは、コイーバ程度なら説明に書いてある3倍ぐらいの速度で吸うでしょうから、「ふかす」なんてとんでもないのでしょうが、「初葉巻」はとにかく衝撃的な美味しさで、その日を境に今まで、私はタバコを吸ったことがありません。
それはまだ私がバンドをやっていた頃で、小樽から東京に出てきたきっかけとなったH生田氏に誘ってもらい、銀座の高級クラブで飲んでいるときに、一言「コイーバ持って来て」とH生田氏が言うと、しばらくして出てきたのです。どこから仕入れるのかさえ分からなくて、正直ビビりました。
コイーバは、キューバ製ハバナシガーの代表的なブランドです。
「コイーバ」とは、コロンブスに発見された先住民(インディアンの種族の一つであるアラワタ・タイノス・インディアン)が吸っていた植物を意味しています。
最高の土壌と称されるヴェルタ・アバホの選ばれた農園のみで栽培され、大量生産をすることなく、収穫されたタバコ葉の質に合わせた生産を行っています。愛煙家は香りだけでコイーバと識別できるほど、パルタガスと並んで辛い系の香りが分かりやすいシガーです。
名うての葉巻職人であるエデュアルド・リベラ・イリザリがキューバのカストロ首相の個人的なシガーを作ったところから、コイーバは誕生します。
イリザリは1940年にキューバのパルマ・ソリアノで生まれ、13歳のときに故郷の小さな葉巻工場で働き始めました。1956年にハバナに移り住み1957年に、6大葉巻きメーカーの一つ(ポール・ララナーガの葉巻工場)に入った頃には、彼の能力はかなり抜きん出ていたようです。
1962年の終わり頃、ポール・ララナーガ工場とラ・コロナ工場が合併。彼がこの工場で葉巻を作っているときに、カストロ首相の側近がイリザリの作った1本を首相にプレゼントしたのです。首相はこの葉巻きが大変気に入り、彼にハバナのエル・ラギートの葉巻工場でカストロ首相のために葉巻を作らせました。そのエル・ラギートの葉巻工場で作られた葉巻に「コイーバ」のブランドが命名され製造が開始されたのが、キューバ革命後の1968年。1982年のスペインでのサッカーワールドカップまでは一般市場に出回ることもなく、キューバ国家的VIPや来賓専用に作られていた背景を持っています。
オールハンドメイド・シガー・ブランドとしても知られ、一般的に買えるシガーの中ではダビドフと並んで最も安定した品質を提供しているというイメージです。
