主人の病巣は右頬内部から頭蓋底に広がっていたので、顔をみればおかしいのは一目でわかります。
パンチをくらったボクサーのような状態から、腫れ上がり眼球は肉腫に押されてました。

以前、眼帯をするようになってから私の前では一切眼帯を外さなくなったと書きました。 
入院した頃は眼帯ではカバーできなくなる程大きくなってしまったのでガーゼを当ててました。
私は1日も早くガーゼのない主人の顔がみたかった。

亡くなった後、主人のiPhoneを見たら、毎日毎日薬の効果を確認すべく、ガーゼを外し正面をしっかり見て自撮りしてあった写真データが沢山ありました。
どんな思いでカメラを自分に向けてたのかと思うと、
ツライです。

悔しいです。

病気の事は14年前から一切誰にも話さず過ごしてきた主人。
肉腫の事もです。
友人にも。

会社の方達は入院してることは知っていたけど、病気の事はしりません。
主人のLINEには見舞いにいきたいとのメッセージが会社の仲の良い方達からきていましたが全て返信は御断りするもの。

友人、知人に弱い部分を見せたくない。
回復した時、同情や病人扱いされたくない。
元気になったところを見せればいい。
主人はそう話してました。

日に日に主人のLINEには お見舞いに来たいというメッセージより、状況を心配するメッセージが増えてました。
でも仕事の事、心配無用だとか、対戦ゲームの誘い等々のやりとりを読んでると、主人は病院にいる主人ではなく、病と戦う主人でもく、私の見たことのない職場での頼られてる兄貴的な主人でした。

兄貴だから弱い顔は見せらんね〜って思ってたかな。
弱音を吐かず、耐えていた主人は、やはり強い人です。

で…
私は主人のiPhoneを見て、一生懸命に私や子供たちへの何かメッセージが残ってないか探しました。
でも、これが、
何もなく。

なかった。


寂しかったのが本音です。

でも治す事を1番に考えていた主人の気持ちの強さの現れだなと今は理解してます。