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もう一本シン・ヒョンジュンつながりで、「サイレン」。

お金のかかった度派手な火災シーンがあるものの、ノリは完全なクラシカル韓国ドラマで、「リベラメ」と二週間と違わず公開され惨敗した火災映画。ソウルのヤンチョン(陽川)救助隊に、かつての登山仲間の二人が配属される。ある大火災の現場で無謀にも救助に飛び込もうとするのをもう一人が止め、殴り合いに。その場面を見ていたその火事で妻子を失った男が、復讐心を燃やして…ってなお話。

幼い頃のトラウマから自分の命を省みず人名救助に猛進する隊員に、シン・ヒョンジュン、登山のトラウマを抱えながら冷静沈着な隊員に、チョン・ジュノ、シン・ヒョンジュンの明るい恋人に、美貌のチャン・ジニョン、人間味溢れる班長に、アン・ソクファン、借金に苦しむ隊員に、『勝手にしやがれ』キム・ミョングク、チョン・ジュノの車椅子の登山先輩に、リュ・テホ。

友情、信頼、恋愛、自己犠牲とかとか古めかしい人間ドラマと、度派手な火災、事故シーンや放火事件が、絶妙のアンバランスを見せ、かなり座り心地が悪いですし、それに輪をかけて、まるで歌舞伎を見ているような大仰な役者の演技が余計悲しくさせる、といった出来ばえだと云わざるを得ないでしょう。特に、過去の登山での事故、アンナプルナ登頂への夢、といった登山の話が絡んでいる部分の違和感たるや、一種のカタルシスを感じるくらいです。

ただ全面的な消防関連機関の協力の下に作られただけあって、消防車や消防ヘリ、装備とかが惜しみなく投入されているので、そういう意味でのリアリティには凄いものがあります。そういう方面がお好きな方には見逃せない一本かもしれません。

全くの余談ですが、全編生真面目で疲れる作品なんですが、唯一、チャン・ジニョンが振り回すショルダーバッグがシン・ヒョンジュンの股間を直撃、痛みに耐えかね内股歩きになるシーンがあって、後のコメディアン、シン・ヒョンジュンの原型を見るようで爆笑できたりします。その演出意図は全く不明ですが…