*【妄想Zone】は、毎回読み切りの超短編セクゾ小説です。
「もし、こんな恋愛ドラマをSexy Zoneのメンバーが演じたら…?」なんて思いながら書いてます♪
(佐藤勝利くん多め)
★今回の話はシリーズですが、「単独の読み切り」としても読めます。
(シリーズの過去作品も貼るので、よかったら読んでみてください♪)
①「うたた寝」
②「秘密のデート」(前編)
③「秘密のデート」(後編)
《設定》
・勝利とユウカは恋人同士。
・勝利は芸能人なので、付き合っていることはヒミツ。
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【フライングクリスマス☆】
「かんぱーい!」
「かんぱ~い♪」
トナカイのカチューシャを付けた勝利くんと、赤いサンタ帽を被った私は、ソファーに並んで互いのワイングラスを重ねた。
「…って、まだ12月にもなってないけどね」
勝利くんはそう言って、フフっと笑った。
毎年、クリスマスになると『もしかしたら、勝利くんと少しでも会えるんじゃないか?』と期待してしまう自分がいた。
勝手に期待をして、勝手にガッカリする自分がイヤだったし、そもそも今年は『クリスマスに会うのは絶対に無理』なことが始めから分かってる。
『だったら、出来る時にやっちゃおう!』と、まだ11月なのに勝利くんとささやさなクリスマスパーティーを開くことにした。
そんな自分を、少しだけ強くなったかな…なんて思う。
ちなみに、「トナカイのカチューシャ」は、コスプレに難色を示した勝利くんが譲歩してくれたギリギリのラインだ。
私が用意した料理とケーキを食べ終え、一息ついたところで「そういえば…」と勝利くんが話を切り出した。
「料理って…ホントによかったの?オレ、作る気満々だったんだけど」
料理は、ここで勝利くんが作ってくれると申し出てくれたけど、私はそれをやんわりと断わった。
勝利くんの料理の腕前がすごいのは知ってるし、もちろんそれを食べたい。
けど…
「い~の!」
私は、隣に座る勝利くんに横から思い切り抱きついた。
お料理を作ってもらう時間が惜しいほど、今は勝利くんとこうして寄り添っていたい。
「ユウカさん、もう酔ったの?」
「酔ってないれす」
「酔ってんじゃん」
笑いながら、勝利くんは私の髪を優しく撫で、そしてポツリと呟いた。
「来年も、その先も、ずっとこうしてたいな…」
私は、嬉しいのに切ない。
それが難しいことだと分かっているから…
ふと、ある歌のフレーズが頭に浮かんだ。
♪ あまりに愛が大きすぎると
失うことを思ってしまうの
自分がもどかしい
今だけを見て生きていればいいのにね ♪
すると、まるで私の心を読んだかのように、勝利くんがその歌のサビを口ずさんだ。
♪ 思いきり抱きしめられると心
あなたでよかったと歌うの
X’masなんていらないくらい
日々が愛のかたまり
最後の人に出逢えたよね ♪
"勝利くんにとって「最後の人」が、私だといいな…"
私は、心の中で小さく呟いた。
メリークリスマス
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以上です。
キンキさんの「愛のかたまり」を引用させていただきました。
★【妄想Zone】(物語)の一覧を貼るので、よかったら他の話も読んでみてください♪