全身を覆う筋膜
『筋膜』という言葉を最近TVや雑誌などでよく聞くようになりました。
筋膜と聞くと、ソーセージやハムを覆うフィルムのように筋肉の外側を包んでいる膜のようなものだと想像しがちです。
しかし、筋肉をパッケージしている膜は筋膜のほんの一部でしかありません。
筋膜は、皮膚の深部~筋肉~骨~内臓~毛細血管~脳までくまなく覆っています。
しかもすべての筋膜は、途切れることなく3次元的に連続して全身を形作っているため、”第二の骨格”とも呼ばれています。
三次元的に連続する筋膜
表皮のすぐ裏側の真皮は皮下脂肪を含む浅筋膜で裏打ちされています。
浅筋膜の奥には脂肪を含まないより丈夫な深筋膜があり、深筋膜は筋肉の外側を覆う筋外膜へ連なります。
筋外膜は筋肉内に入り込み、筋線維を束ねた筋束を筋周膜が包み、筋肉を構成する筋線維の1本1本を筋内膜が包みます。
つまり人体は筋膜が三次元的に連続しているのです。
筋膜はどうやってできている?
筋膜は基本的に『コラーゲン』と『エラスチン』という2タイプのタンパク質で織られたガーゼのような構造をしています。
コラーゲンが螺旋を描く3本のタンパク質を束ねた太いヒモ状とすると、 エラスチンは短く細いコイル状の線維が幾重にも枝分かれしたネット状の組織です。
コラーゲンは強靭だが伸縮性はなく、エラスチンはゴムのような伸縮性を誇り、復元性も高い。
筋膜のねじれ
筋膜はカラダの中で幾重にも重なって、層をなしています。筋肉が緊張し続けてしまうと、筋膜は筋肉に癒着して、ねじれてしまいます。逆に筋膜がねじれることで筋肉の動きが制限されて、機能低下を起こすこともあります。もともと筋膜はしなやかな構造で復元能力も高いのですが、ねじれた状態が続くとその能力は低下し、カラダに悪影響を与えてしまいます。
☆主な原因
1.慢性的な身体ストレス
2.精神的ストレス
3.外傷による後遺症
4.不良姿勢
5.習慣的パターン
6.睡眠不足 etc
痛いところが原因とは限りません
全身は筋膜の連続体として捉えることができます。カラダのどこかでねじれが発生すると隣接する筋肉の動きが制限されて血液循環が悪くなり、凝りや痛みが出てきます。またその隣へと制限が・・・と全身へ拡がっていきます。
筋膜のねじれを解消するのが『筋膜リリース』
筋膜リリースは筋膜のねじれや縮れ、偏りを解消することでカラダの機能の回復をはかります。
筋膜のトラブルから、『むくみ』や『神経痛』といった全身の症状が現れることがあります。筋膜には『血管』や『神経』、『リンパ管』が通るため、筋肉だけではなく、これらの組織も影響下に置かれているため、筋膜が正常な状態でなくなると、さまざまな弊害が起こってしまいます。
筋膜リリースはねじれた筋膜を伸ばすことにより緩めるという方法になります。この手技はカラダに大きな負担を与えないため、安心・安全です。