ルッカは母親を救うべきか? | クロノ・クロニクル
2010年03月27日(土)

ルッカは母親を救うべきか?

テーマ:ルッカ

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人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて
おこがましいと思わんかね……………………
                                     本間丈太郎
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緑の夢。それは希望の夢。
そこにはルッカを導く、救いへのゲートオープン。

「ルッカはあるの? もどりたい、いっしゅんが?」
マールの問いに、ルッカは戸惑った。
「ううん……。なるべく考えないようにしているの」
答えはただ一つ。
私、母親を救いたいの。


ルッカの母親、ララには両足がなかった。
緑の夢は、ルッカを10年前へと導いた。
ララが両足を失った、あの忌まわしい一日へと。


"ルッカはあの日、母ララを救うべきだったのか?"


発明家である父タバンが不在の中、スカートの裾が機械に巻き込まれてしまった母ララ。
彼女を救うためには、急いでパスコードを入力しなければならない。
「機械なんて全然わかんない……でもいいの。
ルッカはふつうのおよめさんになるからカガクなんて知らなくていいんだもん!」
そんな幼きルッカには、パスコードの入力方法などわからなかった。


目の前で砕かれる母の両足、
そして、悲鳴──


そのとき、ルッカはふつうの女の子としての幸せを放棄した。
母を救えなかったのは、私が機械を知らなかったから。


それは、贖罪の人生が始まった日。


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ここに、ふつうの女の子になりたくて、ガルディア城を飛び出したマールと、
自らふつうの女の子を放棄したルッカとの対比が見られる。
カエルと魔王の復讐劇の対比に加え、シェイクスピアの戯曲さながらの人間模様。
これこそが、クロノ・トリガーを名作たらしめている要素だと思う。
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緑の夢により、あの日に戻ったルッカ。
パスコードは、父の最愛の人。
今の私にならできる。母を救える。


しかし、ここでララを救えないユーザーが続出したのだ。
スーパーファミコンのコントローラーには、RボタンとLボタンがある。
パスコードの「ララ」は、RARA?それともLALA?
迷うほどの時間は与えられていなかった。


"RとLの二者択一。これは果たして偶然か、必然か?"


ルッカが発明家を志した「トリガー」は、"あの日、ララを救えなかったから"だ。
あの日がなければ、彼女は発明家になってはいなかった。
時を駆けることも、ロボたちに出会うこともなかった。



私利のために、過去を変えることは、今を否定することだ。
戻りたい一瞬、人生はいつだってその連続なんだ。
彼らは、そして私たちも、そこから目を背けちゃいけないんだ。


だから、"ルッカは決して母親を救うべきじゃないんだ"。

制作者が用意した、RとLの運命の選択。
ユーザーは思う「RとLを間違えたせいで、"助けようとしたけど、助けられなかった"」と。
これこそが、制作者がユーザーに与えた究極のエクスキューズなのだ。

一方で、運良くララを助けた場合でも、
今のルッカの人生に何ら影響が生じない。
これこそが、制作者がユーザーに与えた、最大の偽善なのである。

緑の夢で私たちがとるべき行動とは、
"制作者が用意したRとLのトリックを自分への言い訳にして、ララを助けない"。
これが正解ではないか。

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千年祭最後の夜、タバンは両足のないララを祭へと連れ出す。
彼はララと生涯を共にするだろう。
誰よりもあの日を悔やんでいるのは、タバンなのだ。

彼は「戻りたい一瞬」へ行ったことがあるのではないか?
しかし、彼は今を受け入れた。そして未来を……。

緑の夢、そこに垣間見える、タバンの物語。

「パスコードは……我が最愛の人」
それは、これからもずっと君の名前なんだ、
ララ。




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